熊本県では、先般、基礎疾患を有する患者へのワクチンが配給された。
これに先立ち、熊本県新型インフルエンザ対策本部は、13日報道資料を配布した。
公的病院へは、500回分を上限として配分する。
公的病院以外の医療機関へは、40回分を上限として配分する。

某病院へは200回分余りが配給されたらしい。
某病院は公立病院ではありません。

公的病院って何ですか?

予想通りのことが、現実に起こっていた。

共同通信社によれば、
「3人態勢で一日約200人を診察する東京都内の診療所の院長は、
今月上旬届いたワクチン容器のサイズを見て驚いた。
成人への接種18回分に当たる10ミリリットル瓶だった。
翌週の予約は計6・9ミリリットル分。
小さな子どもでは約15回分が余る計算になる。
インフルエンザワクチンの使用期限は、瓶の開封後、24時間。
期限内に消費しなかった液は廃棄せざるをえず、
その分の費用は医療機関側の負担となる。
このため同診療所は、基礎疾患がなく、
当時の優先対象に該当しない未就学児らに打って使い切った。

「東京都は
「接種時期に関する原則は守っていただきたいが、緊急の場合は医師の判断に任せる」
(感染症対策課)としている。」

どうして、役人の論理は机上の空論ばかりなのだろう。
もっと現場をみて欲しいものだ。
厚労省はワクチン優先接種対象者を合計で、5400万人と発表しています。

夏頃、国産ワクチンの準備量は1700万人分でした。
これが、鳩山政権になると、突然、2700万人に上方修正されました。
ワクチン増殖率が向上したというのが理由です。
優先接種者が1回うちで良ければ、国産ワクチンだけで足りる計算です。
5400万人÷2=2700万人、偶然の一致でしょうか?
ワクチン確保の発表は、子供だましの数字遊びのようです。

ワクチンを輸入するには臨時国会を通さなければならず、
副作用問題を考えれば、容易に通過出来るでしょうか?
マスコミはこのことに関してはまだ議論していませんが・・・。

ワクチンの供給の遅れで泣きを見るのは国民ですが、
特に熊本は今回優先接種が他県より2週間以上遅れているため、
さらに深刻です。

今回の最優先接種者へのワクチン配給が非常に少なかったことも考えると、
(必要量の10分の1以下で、次の配給は12月初め頃?の予定)
前倒しした小児への接種が、スケジュール通りに行くとはとても思えません。
10月30日WHOは新型インフルエンザ接種に関する見解を発表しました。
原文はこうです。
「SAGE recommended the use of a single dose of vaccine in adults and adolescents, beginning at the age of 10 years, provided such use isconsistent with indications from regulatory authorities. Data on immunogenicity in children older than 6 months and younger than10 years are limited and more studies are needed. Where national authorities have made children a priority for early vaccination, SAGErecommended that priority be given to the administration of one dose of vaccine to as many children as possible. SAGE further stressed the need for studies to determine dosage regimens effective in immunocompromised persons

これを受けて、朝日新聞の見出しは以下になりました。
「生後6ヶ月以上ならワクチン接種は原則1回WHO勧告」

WHOは発展途上国の公衆衛生を特に配慮している国際機関と言うことを考えれば、
「生後6ヶ月以上のすべての人は原則として1回接種でよいと勧告した」
とはならないでしょう。

「1回でもいいからできるだけ多くの子供に、ワクチンを打とう」となるはずで、
1回で十分というニュアンスは生まれてこないはずなのに・・・。
日本でも小児は2回になりましたが、下線部の基礎疾患のある患者さんは1回になりました。
原則1回接種は、朝日新聞の報道に影響を受けたというか、
誤報をうまく利用した、厚生労働省のずるさが目につきます。
ただし、厚生労働省が、小児の優先順位をあげたことは、公衆衛生上好ましいと思います。
また、天草市の安田市長が早い時期から自己負担の軽減を英断したことは、
厚労省からの指導で枠組みが変更できない以上、天草市として出来る精一杯のことであり、
非常に高く評価できます。



びっくりしました。
病院の優先者のワクチンは申し込んだ量のわずか12分の1しか供給されません。
優先接種者が600人、そのうち最優先接種者が400人くらいいるのに、
11月16日の供給量は50人分、12分の1です。
さんざん宣伝して、12月には優先接種その他も始まるなどと言っておきながら、
蓋を開ければこの始末。
医療従事者への接種も全て終わっていないに・・・。
あきれて、怒る気にもなれず、笑いしか出ません。

新型インフルワクチン接種の効果については、議論のあるところですが、
国を挙げてワクチン接種を行うと決定したからには、効率的、戦略的に行うべきです。
以前も書きましたが、10mlバイアルは集団接種を想定しているとしか思えません。
供給量が少ないと、最優先者のトリアージ(患者の差別化)だけでも大変な作業です。

優先接種者はもう始まりますので、病院でするとして、
(本当は保健所でして欲しかったのですが)
今後、一般対象者の接種は一括して地域の保健所で行うべきです。

また、小学生に対するワクチン接種は、学校で集団接種をしてほしいと思います。
学校医がいますし、医師会から応援医師を派遣すれば充分可能ではないでしょうか?

個別接種より集団接種で対応した方が、医療現場の混乱を回避でき、
副作用のサーベイランスの観点からも有益性が高いと思われます。
是非、国、県、天草市、保健所には、早急な検討、決断をして欲しいものです。
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