これはインテーク・マニホールド・ガスケット。シリンダー・ヘッドとインテーク・マニホールドの間に挿入されてます。
どういう役目かというと...エンジンは燃料を燃やして出来る燃焼ガスのエネルギーを動力に変換する機械ですよね。燃焼室に空気と燃料を導き入れて点火し、発生するガスの膨張力によってピストンを押し下げてクランクを回す、或いはロータリー・エンジンならおむすびの形をしたローターをハウジング内で回してエキセントリック・シャフトに動力を伝えます。その力でトランスミッションを介して車輪を回すのです。
燃焼室に燃料と空気が最適な比率で吸い込まれるよう各制御装置はリアルタイムで作動します。インテーク・マニホールドは燃焼室に空気を送り込むパイプ状の構造物で、その末端で燃焼室上部の「シリンダーヘッド」という部品に接合されてます。接合部の気密を保つのがガスケットの役目です。今回の修理入庫車両では6番燃焼室のガスケットに破損があり(画像参照:左端部が破れてますね)、吸気漏れが発生してました。余分な空気が燃焼室に入り込むことで燃料と空気の混合比率が狂い回転が不安定になっていたのです。
ガスケットをただ新品に交換すれば解決する不具合内容ですが、マニホールドはもちろん各補機類を取り外し、また冷却水も抜いての作業ですので結構な時間を要します。今回は劣化していたプラグコードも一式新品交換したため抜群に調子よく回復しました。