日本では、「長月」
日本では旧暦の9月(今の10~11月頃)を「長月」と呼んでいました。
由来は諸説あり、有力なのは「夜がだんだん長くなる月」を意味する「夜長月」を短くしたもの、という説。
その後明治5年に新暦への移行が施行され、12月2日の翌日が明治6年1月1日とされました。
しかし今でもこの「長月」は9月の別名として使われています。季節のずれてしまった現代では本来の意味とは合わない部分もあるかもしれませんが言葉を大切にする日本人の良き情緒があって素敵ですよね。
欧米では、9月の事を「7番目の月」と呼んでいる!?
英語の9月の月名「September(セプテンバー)」、ラテン語で「第7の~」を意味する「Septem」という言葉に由来しています。これは英語の「Seven」と同様。
9月なのに「第7の~」・・・なんで!?これは紀元前153年頃に、ローマの皇帝シーザーが政治家の任期に合わせて、それまでは3月だった一年の始まりを1月に変更。その時に忘れてしまっていたのか、月の名称は変更しなかったから今の様な不一致が生じてしまったと言われています。
ちなみによく云われている「7月と8月を皇帝の名前に変更したからずれた」というのは俗説の様で「Julius」に改める前は「Quintilis」といい、こちらはラテン語で「第5の~」という意味の「quintus」の語に由来しているそう。名前を変えた時には、もうズレていたんですね。
オマケ -日本の「旧暦」-
日本の旧暦は太陰太陽暦という太陰暦と太陽歴の要素をミックスしたものを使っていました。太陰暦は月の満ち欠けの周期(約29.5日)を基にしていて、1年は約354日。しかし実際の春夏秋冬の季節は太陽の位置によって約365日周期で移り変わります。
太陰暦だと1年で約11日づつずれてしまい、17年後には春秋、夏冬が逆転してしまいます。元来農耕民族である私達日本人にとってこのズレは致命的なものとなってしまいます。
そこで約3年に一回、閏月を設けて季節と日付のズレを調整。また、365日周期に合わせた目盛(何月何日という日付)が必要になり、太陽暦の要素である「二十四節気」を取り入れた、「太陰太陽暦」が使われる様になりました。