JICA九州の主催で「地球の上に生きる2011」が熊本市国際交流会館で21日から開催されている。紛争、災害、貧困の苦難に苦しむ人々など国際的な問題を報道写真を通して伝えようとするもの。国際フォトジャーナリズム大賞受賞作を中心に国内外のカメラマンの作品82点が展示されている。
高度経済成長が8%と経済成長の部分のみが大きくマスコミ等で取り上げられるインド、しかしその陰の部分では、炭鉱で朝5時から働く子供達がいる。年齢は4歳から15歳とのこと。地下のマグマが熱する土の上を素足で作業する子供の写真はまさに地獄絵である。カースト制度が生まれたばかりの罪のない子供の上にどうしようもない重荷を背負わせているのだろうか?
フィリピンでは貧困が原因で風俗店で働く母親、それでも風邪が原因で6歳の子供を失ってしまった写真がある。日本では考えられない出来事が起こっているまさに貧困の連鎖だ。
ロヒャンガ族というベンガル系民族集団は、ミャンマーではイスラム教徒であるために支配集団の仏教徒から弾圧され、バングラデシュにおいても不法滞在者として冷遇され自由な移動も制約されているという。
また気候難民という見出しの写真もあった。気候の変動によって農作物や家畜も枯れてしまう国もある。いずれも信じがたい光景である。
目の前の写真は平和な日本で暮らす私にはいずれも信じがたい写真であり、どこかデフォルメされたもの思いたい気分になった。しかし、いずれの写真も報道カメラが切り取った現実である。会館を退出する時JICAからのアンケートに答え、これから情報を配信していただくようにした。
国際交流会館を出て、電車通りを超え新市街へ都会の喧騒、そこには人間が作り上げた物に溢れている。おにぎり、パン、ジュース、お菓子などなど、お金さえ払えば目の前になんでも揃っている。移動は電車、自動車、何の不自由もない。そんな現実を目にし、しばらく時間が経過すると先ほど見た写真の記憶が薄れていく。何とも情けないものだ。
そして私達は、平和な普通の生活を送れることがいかに幸せなことか気付かなくなっていくのだと思った。私は、もっと他の国のこと、そこに暮らす人々のこと。もちろん3月11日に襲った東日本震災のそれぞれの地域の復興のこと、苦難の道を希望をもって立ち向かっている人々のこと。これらのことにいつまでも心を寄せ、向き合い、支え合い、伝えあい、その苦難を少しでも多く分かち合っていくことが必要だと思う。そのことを忘れない様にブログに掲載した。
「地球の上に生きる2011」は、熊本市国際交流会館で27日まで開催中。 |