お正月の事をもっと知ろう
昔から「盆と正月」という言い方があるように、お正月はお盆と並んで日本人にとってとても大切な行事なんです。
はるか昔から、どんなに貧しい家庭でも必ず正月だけはきちんとお祝いをしてきました。
でも、正月っていったい何をお祝いする行事なのでしょうか?
実は、お正月というのは、本来「神様」をお迎えする日なんです。
お正月にお迎えする神様は「歳(年)神様」であって、ここでの「歳(年)」とは稲の実りの事を指します。
つまり歳神様とは豊穣の神様なんです。今もそうですが、特に昔の人にとっては作物の出来は
死活問題でしたから、自然と歳神様のお迎えの仕方も丁寧になります。
今私たちが経験しているお正月前後の風習や食べ物、飾り物などは、そんな歳神様を祭っていた名残なのです。
例えば・・・
◇煤(すす)払い・・・いわゆる年末の大掃除。歳神様をお迎えするための準備。大晦日は本来歳神様をお迎えする日なので、大晦日前までに大掃除を終わらせておかなければならない。
◇門松・しめ飾り・・・歳神様が依りつくための憑依物
◇大晦日・・・一年の最後の日で、歳神様をお迎えするための行事が行われる日
◇鏡餅・・・歳神様へのお供え物。ちなみに鏡開きには歳神様との一体感を得るという意味もある
◇おせち料理・・・「歳神様をお迎えしている時に台所を騒がせてはいけない」という考えから、年末のうちに用意する保存のきく料理。その内容はそれぞれ縁起を担いだもの。
などなど。もちろん初詣などは言うまでもないですよね。
歳神様とは直接関係ない風習にしても、やはり新年の幸福を願う意味があることには変わりありません。
なお、昔は「数え年」というものがありましたが、これはお正月にみんな揃って一つずつ歳を取るという仕組みです。
これは「歳神様が新しい魂を与えてくれる」という考えに基づくもので、このいただいた魂を数えたものが数え年。
お正月の「おめでとう」という挨拶も歳神様を迎えること、そして歳をいただいたことを祝う喜びの言葉なんです。