崎津・今富の信仰の変遷 |
﨑津・今富の文化的景観を形成する要素の中には、目に見えない要素である信仰や民俗も関係しています。富津は16世紀後葉以降、 アルメイダ修道士によるキリスト教の布教から、現在まで複数の信仰が共存し継続している地域です。
禁教下において、潜伏キリシタンは洗礼やオラショをひそかに伝承し、禁教令が解かれるまでの250年以上もの間、信仰を守り続けました。
なかでも﨑津の潜伏キリシタンは、メダイやロザリオのほかにアワビやタイラギ貝など海に関するものを聖遺物として信仰したことが特徴です。
また潜伏キリシタンが発覚した「天草崩れ」では﨑津諏訪神社が異仏取調べの舞台となりました。信者は「何方江参詣仕候而も矢張あんめんりゆすと唱申候」と言い、寺社へ参詣したときにも 「あんめんりうす=アーメンデウス」と唱えていました。