■起源と伝播

 

 紀元前6世紀頃から小アジアで栽培され、その後フェニキア人、ギリシャ人そしてローマ人などによって地中海沿岸でも栽培されるようになりました。

 その後、地中海沿岸を越えて、セビリア、西インド諸島、アメリカ大陸へと拡大され、今日ではオーストラリア、中国、南アフリカ、日本においても栽培されています。

 

■日本におけるオリーブの歴史

安土桃山時代
(1574~98)

キリスト教伝道のため来日したポルトガル人によって日本にオリーブが持ち込まれる。

文久2年
(1862)

将軍侍医・林洞海がフランスより苗木を輸入。横須賀に植栽。

明治7年
(1874)

佐野常民がイタリアより持ち帰る苗木を東京・和歌山に植栽。和歌山で結実。

明治12年
(1879)

フランスから苗木2000本導入。勧農局三田育種場と神戸温帯植物試験場(神戸オリーブ園)に移植。

明治15年
(1882)

神戸オリーブ園で結実。日本初の採油。同時に塩蔵製造。

明治41年
(1908)

農商務省が香川、三重、鹿児島の3県を指定して集約栽培試験を実施。唯一、香川県小豆島に植えられたものだけが順調に生育、結実した。

昭和33年頃
(1958頃)

小豆島では農林省の補助、直轄、香川県の事業として継続して栽培。
オリーブオイルの価格が高騰。日本産オリーブの最盛期に。

昭和34年
(1959)

オリーブオイルの輸入自由化によって、国内の生産は急速に減少し始める。

平成20年
(2008)

小豆島でオリーブ植栽100周年。記念事業を実施。

現  在

消費者の健康志向などからオリーブが再び注目される。

 

■天草におけるオリーブの歴史

昭和40年頃

(1965)

オリーブ栽培が試みられる(2本現存)
しかしその後、柑橘のブームにおされて衰退。

平成5年

(1993)

県立苓明高等学校に改称(学科改編)されたときに制定された校歌に、オリーブの歌詞が歌われる。

平成18年

(2006)

御所浦町の嵐口地域振興会が約20本を植栽(11月)

平成21年

(2009)

トランス脂肪酸を含まないオリーブオイルに関するセミナー・料理教室が天草市内で実施される。(2月、6月)

地元企業が佐伊津で200本の試験栽培に着手(4月、11月)

平成22年

(2010)

天草市と進出企業が農業参入に関する協定を締結(1月)

進出企業が五和町に9種類、1600本を植栽(3月)

地元企業が志柿町に500本を植栽。本格的にオリーブ栽培が始まる。


 

オリーブの木