第1回御領町並み案内人養成講座

(平成22年6月20日(日))

 

 この講座は、平成21年度の講座に引き続き実施するものです。今年度は、前回受講され経験者など9人が参加し、講座が進められていきます。今年度は、御領の歴史や文化を楽しみながら学び、案内人のデビューをめざします!


 

 第1回目は、6月20日、講師に郷土史家の山本繁さんと学芸員の林宏美さんを迎え、天草市五和支所で行いました。講義では、御領に点在する歴史、風景のクイズや、講師による散策コースの現地案内などが行われました。
 参加者からは、「ガイドの体験会をしてもらいたい」「ガイドの虎の巻を作成してほしい」「石本家は御領の人たちの支えがあったから栄えたとの話があったが、そういった御領の人たち、暮らしなどと歴史との関わりを知りたい」「広範囲でなく、現在来られている範囲でのガイドなら、もう少し勉強すれば気軽な気持ちでやれるような気がする」など、これから取り組んでみたいと思われる意見がたくさんありました。
 今後は、こうした意見を踏まえた、講座を実施していく予定です。

受講生のみなさん
御領散策に使っているマップとガイド本
講師の山本さん(郷土史家)
講師の林さん(学芸員)
 
第2回御領町並み案内人養成講座
(平成22年9月5日(日))
 
 今回から3回に分けて、実際に御領の町並みを歩きながら、歴史や御領石の文化などについて、講師の山本さん、林さんから説明をしていただくことになりました。
 そこで今回は、まず、御領の全体的なお話を山本さんからご紹介をいただきました。
 山本さんのお話では、御領地区は、天草のほかの地域になかった条件がそろっていたことで、江戸時代に経済発展を遂げたようです。
 その条件は、例えば、阿蘇の大噴火により約9万年前に堆積した火砕流によってできた「御領石(凝灰岩)」の文化(恩恵)や、豊かな水の恵みによって作られた良質な米の生産。また、この米を使った酒造が盛んになったこと。そして、地理的条件として、有明海を通じて、九州各地や東シナ海を抜けて海外など、海運により交易が行われたことなど、多方面にわたります。お話を聞けば聞くほど、深い歴史を感じます。
 受講生の皆さんは、こうした御領地区の歴史や文化の全体像を学ばれた後、林さんの案内により、今回の散策場所である御領門前町商店街周辺を歩きました。
 

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御領全体のことについて説明する山本さん(左から4番目)と受講生のみなさん。

 

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長岡公について説明する林さん(左)。

 

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五和支所から商店街への入口付近にあるSさん宅の石垣と門。

風情がありますね!門の板は、昔の和釘が使われている箇所が残っています。

 

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こちらの石垣も御領石でできています。こうした町並みが、続きます。

ちなみに、この石垣は、場所によって作られた時期が違うそうです。

暮らしの歴史を感じますね・・・。

 

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散策途中に新しい御領郵便局の建設現場を通りました。

9月末ごろに完成予定だそうです。ここは、もともとの郵便局があった場所だそうです。

・・・御領の暮らしの歴史が移り変わっている様子が伺えます。

 

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豪商松坂屋石本家屋敷。米俵が1,400俵納められていたそうです。

すごいですね。

 

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御領石で作られた、いわば天草で最初の水道!。

汲み上げた井戸水を写真中央のマスに入れると、陶器の水道管を通って、

お風呂の水などに使われていたそうです。

石本家屋敷内に今も残っている江戸時代の生活の跡です。

 

第3回御領町並み案内人養成講座
(平成22年9月14日(火))
 
 今回も前回に引き続き、御領地域を歩きました。今回は、山本さんの案内で1分団と3分団をめぐりました。文化財などの案内のほかに、それぞれの土地の地名には、その周辺の地形や歴史が密接に関係したものが多く、説明を聞けば聞くほど、奥が深いものがありました。
 
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黒崎海岸には、浜の植物が何種類も生息しています。
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これは、オカヒジキです。海のひじきに良く似ています。
 
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シャリンバイとうい植物。葉っぱの形が「車輪」に似ていることから付いた名前のようです。
 
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黒崎海岸付近の防風林。木が高く成長し、下の部分に枝葉がなくなり、防風の役割を果たしていない。
そこには、使用済みの竹などを防風対策に利用されています。
生活の知恵なんですね・・・。
 
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寛政大津波の供養塔。供養塔は、右手奥にあります。
 
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中央右上の斜めに建っているのが供養塔です。
江戸時代の雲仙普賢岳の大津波で亡くなられた方々が埋葬されています。
 
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小串地区にある小串阿蘇神社。しめ縄の作り方も、神社で違うみたいです。
 
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小高い丘のうえにある、ペーが墓。キリシタン墓碑です。
 
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墓碑には、十字がいくつも刻まれています。
ここは、とても神秘的な空間です。
 
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ぺーが墓は、宣教師のお墓と言われていますが、特定はまだされていません。
 
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浦園(うらんそん)穴観音。穴の中や外には、観音様15体まつられています。
一説には、この付近から砂鉄がとれていたため、鍛冶の高炉として使われていたのではないかという説もあります。
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洞窟の上は、空洞になっています。高炉として使った跡と思われる理由の一つです。
 
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洞窟の上には、星の形に似たものが数箇所刻まれています。 
 

案内人

これはもしかして、ペトログラフでしょうか・・・?

ロマンを感じますね!

※ペトログラフ=古代人が岩などを刻んで作った文字のこと。

 

 

御領きゃら 

次回は、9月27日(月)に養成講座を開催予定です。

散策場所は、御領の4分団と5分団です。