のしは「熨斗鮑(のしあわび)」の略で、鮑を薄く切って伸ばして乾かしたものを伊勢神宮に献上したのが始まりです。このことは「日本書紀」に記されており、現在でも年に数回奉納されています。
長寿をもたらす縁起物とされ、鎌倉~戦国時代には″敵を打ちのばす”という意味で武運長久の縁起もかつがれていました。
江戸時代に入ると贈り物に添えて祝意を示すという習慣が広まっていきました。ただ熨斗鮑は高価なものだったため、代わりにサザエや昆布、布海苔、鳥の羽などを代わりに用いたこともあったようです。
現在では紙の折熨斗に変化していますが喜び祝う気持ちを託すことには変わりありませんね。(TE)