学校を掃除をしていて、本を発見。

 題名は、「落ちて、流れて、旅するタネ」という子ども向けの科学の本です。出版は大日本図書です。理科の教科書を手がける出版会社です。

 「タネ」・・・・・・あっ!あったあったこれかあ・・・大きいなあ。両面が黒の厚めのオセロの駒という感じです。30個ほどありました。おっ!巨大なタネの巨大なさやも・・・巨大なインゲン豆か・・・・・?もしかしたら、あのジャックの豆か?

 驚かれるかもしれませんが、緑色の棒は未使用の鉛筆です。大きさを想像してください。

 

巨大な豆 

 

 大事そうにとってあった本の中を見てみると何と、大江のことが載っています。

 写真と文は、石垣島で草木染め染織工房をされている、深石隆司様が書かれた物です。

 電話で許可をいただき、このホームページに掲載させていただきます。

 これは、一つの奇跡ですね。

 

7~9ページです。

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◎エピソード◎
 こんな出来事がありました。海岸に流れ着くタネを調べていた2001年6月2日のことです。石垣島の北海岸で「あいさつ運動」のカンバンが打ち上げられていました。そのときは,ただ,ゴミとしてすてられたものが流れ着いたとしか思わず,気にもとめませんでしたが,その日の夜,寝床に着いてからカンバンに書かれていた「あいさつは人と人とをむすびあう・大江小学校PTAあいさつ運動」の“大江”という地名が気になりはじめました。石垣島の南のほうには,そういった地名や学校がないからです。
看板 

 

 「いったい,大江という学校はどこにあるのだろう」翌日の朝,さっそくそのカンバンをさがしに浜へでかけました。とちゅう,「もしかして,ふたたび波に流されてどこかに行ってしまったのではないか」と心配でした。でも,カンパンはもとの場所に残っていました。
 家に持って帰り,さっそく大江という地名をさがしました。
 「日本地名事典」には,北海道と山形県,それに京都府と熊本県に同じ地名があると書かれていました。海に面した熊本県天草郡大江町が,最も可能性がありそうなので,今度は電話帳で大江小学校を調べてみました。
 大江小学校へ電話してみると,○○教頭先生がでられ「昔のことで,わたしはよくわかりませんが,以前あいさつ運動を当校でしていたようです」という返事でした。そして「PTAの役員のかたに聞いてみますので,写真を送ってください」といわれました。
 しばらくしてから1通の手紙がとどきました。「当時PTA役員をなさっていたかたに学校へきていただき,写真を見てもらったところ,学校近くの川べりの通学路に立ててあったもののようだ。昭和62年(1987年)ころのことだと思う」という内容でした。
 なんと,10数年もの歳月をへて石垣島へたどり着いたのでした。それも黒潮の流れとは反対の北から南の島へ。
 海には,黒潮の流れ以外にも数々の海流があります。それらを考え合わせて想像すると,いろいろな可能性が浮かびあがります。カンバンが流出したのは,台風によってではないかということですから,まずはじめは風の影響を強く受けたと思われます。熊本県の天草郡から南下して,いったん黒潮本流に乗ってしばらく北上したのち,黒潮反流に乗り変わり,南に下って台湾近くでふたたび黒潮に乗ってから,八重山近海で北よりの風に吹きよせられて石垣島に流れついた,とも考えられます。

 

海流 

 しかし,10数年の歳月をかけてきたのですから,もっと大まわりしたとしてもふしぎではありません。
 世界の海流を乗りついだと考えれば,北太平洋には亜熱帯循環とよばれる時計まわりの海流系がありますので,黒潮から北太平洋海流に移って,すこし南下してから亜熱帯微風帯で寄り道して北赤道海流,黒潮と乗りかえて石垣島へたどり着いたとする考えや,もっと長い距離を旅したと想定すると黒潮,北太平洋海流,カリフォルニア海流,北赤道海流,黒潮というコースもありえなくはありません。
 みなさんは,天草郡大江町からどのようにして“あいさつ運動”のカンバンが石垣島へ流れついたと推理しますか?


 

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※一部個人名を伏せ字にさせていただきました。

 

しかし、本当に、不思議ですね。

どんな道をたどったのか看板に聞いてみたい気がします。

 

 冒頭の豆とさやは、「モダマ」というツル性の大きな豆の木のタネだそうです。石垣島・沖縄に自生しているそうです。

 モダマは、ヤシのように漂流・漂着しながら分布を広げているそうです。今回見つかった物は、深石様から、交流の記念に送っていただいた物のようです。

 モダマは石垣島から黒潮にのり、日本へ。大江の看板は、逆流して?それとも、太平洋を1周して?石垣島へ。

 

 

※先日、東日本大震災の津波で流された物(バイクやバレーボール)が、1年かけて、カナダへ到達したというニュースを聞きました。不思議な縁を感じました。

 

 

あいさつ看板