梅雨のぐずついた天気が続くなか、しっとりと雨に濡れながら色とりどりに咲く

アジサイが通りゆく人を楽しませています。


 江戸時代、長崎出島のオランダ商館の医師シーボルトは「お滝さん」と結婚します。

 やがて二人の間には「お稲」という女の子も生まれ、幸せな日々が過ぎていきますが、

それも束の間、シーボルトはスパイの容疑をかけられ国外追放となり妻子と離ればなれ

になります。


 その後、「お滝さん」は周囲の勧め断り切れず再婚し、それを告げる手紙が届けられ

ますが、『他の人と結婚するけれど私のことを忘れないで』 という内容に、残酷なまでに

切ない思いが推し量られます。


 深く落胆したであろうシーボルトですが、彼も「お滝さん」のことを忘れようとはしません

でした。


 後に、シーボルトは「日本植物誌」を刊行します。そこで彼は長崎の中国寺で採取した

という空色のアジサイを「ハイドランゼア オタクサ」と名付けて紹介したのです。

 「オタクサ」とは「お滝さん」のこと。ドイツ人のシーボルトが妻の名を呼ぶときの発音

そのままを花の名にしたのでした。


 雨に打たれながらも、けなげに咲く楚々とした姿に加え、シーボルトと「お滝さん」との

物語が、アジサイの花を一層ロマンチックなものに見せてくれているようです。


アジサイ


アジサイ



アジサイ



アジサイ


アジサイ(青)


アジサイ

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