帆船祭り(出島ワーフから撮影)

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29/30日と長崎帆船祭りに行って来ました。

昨年は震災に伴う自粛ムードで閑散とした雰囲気に終わってしまったこのお祭りですが、今年は打ち上げ花火やライトアップも復活してその華やかさを取り戻しました。ロシア帆船もやってきて国際色豊かな長崎らしい催しになったといえます。

 

今回はうちのパートナーの他に留学を控えた西南学院大学の女子学生さんも一緒です。せっかくだから日本人女性の海外進出の歴史を長崎で辿ってみることにしました。

長崎に文禄の頃から二百五十年も続いたという旧家の油問屋「大浦家」を幕末に継いだ「大浦お慶」の足跡を追ってみたんですよ。お慶さんは日本茶の輸出で財をなし維新志士たちを擁護したことでも知られています。そこに至るには鎖国下での中国密航など法をおかしてまでマーケティングを行ったという話もありビジネスに対する類まれな積極性がありました。

 

 

 

 

小曾根邸跡

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海外に出ることで日本の中にいる限り見えてこない「隙間」が見えるようになります。商売とは即ち「隙間に食い込む」ことに他なりません。今までになかったニーズの開拓ですから。食い込んだその隙間をどれだけ拡げられるかは努力次第です。それはもちろん学究分野にも言えることです。

 

お慶さんも傾きかけた家業からの脱皮を図るに、ここ長崎にあるからには貿易ビジネスしかないと腹をくくって当時としては無謀と思える賭けに挑戦したとことが伝えられています。英語を話せる人間がまだ日本には誰もいない時代ですが、やがて英国人オルトから大量の茶の注文が舞い込み一大商人となってゆきます。もっとも注文が大量過ぎて集める術がなく途方に暮れたこともあると思いますが(笑)見つけた隙間を大いに拡げて成功の階段を上っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

唐人屋敷跡地

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今回はお慶さんの生家跡から訪ね始め、貿易ビジネスの先輩であった小曾根氏の邸宅跡、お茶ビジネスを始める発端となった唐人屋敷跡などを巡り歩き、また当時の長崎の文物に詳しい人々の話を聞いたりしました。帆船祭りという幕末までの長崎の港の景色を彷彿とさせる催しを背景にこうした探索をすることで留学にのぞむ彼女にどのようなMotivationが沸き起こったのか、今後が楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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