1.お盆は仏教で使われる言葉の盂蘭盆〔うらぼん〕(Ullambana)からきています。この盂蘭盆の意味は、倒懸〔とうけん〕(さかさづり)です。地獄で受ける苦しみの一つです。
2.お盆の始まりについては、次のような仏教説話があります。仏様の弟子目連の母が地獄に落ちて、餓鬼道の罰を受けさかさづり(倒懸)され苦しんでいた。これを救うため、釈迦が教えたのは、毎年7月15日に百味(ごちそう)を衆僧(全ての命)に施すと、現世の父母は長生きし、過去7代の祖先も救われると言った。ここから始まったとする説。

無縁仏
祀らずそのままにしておくと災いを与えるものと信じられていて、盆には無縁棚(ガキダナいう)を設け、供え物(ガキノメシともいう)をして先祖と一緒に祀った。

盆に行われる踊り
1.盆踊り 盂蘭盆を中心に踊る集団舞踊。行列踊りと輪踊りがある。輪踊りには中心の櫓に精霊棚を設け、位牌を飾る地方がある。(香川県など。)
2.念仏踊り 盆や仏事に死者や先祖の霊を供養するための踊り。この場合念仏や和讃を唱えて踊る。
※わさん和讃:仏教の教義解釈。高僧の伝記を歌にしたもの。

盆踊りの意味
精霊をなぐさめ、それを送ることのほか、たたりをする精霊を追いやる目的。豊作の祈りなども併せて込められていると言われている。

施餓鬼
餓鬼に飲食を施し、亡者の滅罪、追福のために行われる法会。本来は随時行うものだったが、いつのころからか盂蘭盆会と混ざり、7月の盆またはその前後に行われるようになった。


盆踊りが施餓鬼の日に行われることについての推測
1. 盆の日は各家がそれぞれの先祖を祀るため、個別に行う要素があるが、施餓鬼は先祖以外の精霊を特に祀るためムラ全体で行う要素があって、この時に、その精霊をなぐさめ、または追い払う目的で集団で行事が行われた。その一環として盆踊りが行われるようになった。
2. 餓鬼を祀ることがすなわち亡き先祖のあの世での幸福につながると考え、特に施餓鬼の日を選んで踊るようになった。
3. 餓鬼が非常に恐ろしいものとして、これを追い払うために特に施餓鬼の行事として踊るようになった。
4. 全ての死者に対し、広い愛情を込めて先祖を祀り送った後も餓鬼に対しても祀り送るため、最後施餓鬼の日の踊りでまとめた。