キーワード:インフルエンザ 解除
ようやく、インフルエンザワクチンが希望量だけ供給されるようになったが、
基礎疾患を有する最優先分の供給は以下の通りだった。
1回目、11月下旬、600人分希望して、供給は50人分。
2回目、12月中旬、400人分希望して、供給は160人分。
3回目、12月下旬、400人分希望して、供給は400人分。

感染のピークが過ぎたと報じられてから、希望量が供給されたが、
うちの病院は基礎疾患を有する患者を1000人以上抱えている。
当然、行政も認識しているはずだが、
このような配分をするのは、行政の泥縄式対応と言わざるを得ない。
おかげで、優先証明書等の発行やトリアージ作業は大変だった。

このような事態になることを予想し、9月初めには保健所に、
ワクチン供給は大丈夫か?
優先順位を着ける必要はあるか?
等の質問をしたが、ワクチン供給は大丈夫だからと、
他の質問には答えてもらえなかった。
蓋を開けてみればこの始末。

行政から言ってきているいろんな案件に対し、
同じような対応をしようかとも思ったが、
あまりに大人げないかと思い直し・・・、
あまり期待せずふつうの対応していこう。



厚労省はワクチン優先接種対象者を合計で、5400万人と発表しています。

夏頃、国産ワクチンの準備量は1700万人分でした。
これが、鳩山政権になると、突然、2700万人に上方修正されました。
ワクチン増殖率が向上したというのが理由です。
優先接種者が1回うちで良ければ、国産ワクチンだけで足りる計算です。
5400万人÷2=2700万人、偶然の一致でしょうか?
ワクチン確保の発表は、子供だましの数字遊びのようです。

ワクチンを輸入するには臨時国会を通さなければならず、
副作用問題を考えれば、容易に通過出来るでしょうか?
マスコミはこのことに関してはまだ議論していませんが・・・。

ワクチンの供給の遅れで泣きを見るのは国民ですが、
特に熊本は今回優先接種が他県より2週間以上遅れているため、
さらに深刻です。

今回の最優先接種者へのワクチン配給が非常に少なかったことも考えると、
(必要量の10分の1以下で、次の配給は12月初め頃?の予定)
前倒しした小児への接種が、スケジュール通りに行くとはとても思えません。
10月30日WHOは新型インフルエンザ接種に関する見解を発表しました。
原文はこうです。
「SAGE recommended the use of a single dose of vaccine in adults and adolescents, beginning at the age of 10 years, provided such use isconsistent with indications from regulatory authorities. Data on immunogenicity in children older than 6 months and younger than10 years are limited and more studies are needed. Where national authorities have made children a priority for early vaccination, SAGErecommended that priority be given to the administration of one dose of vaccine to as many children as possible. SAGE further stressed the need for studies to determine dosage regimens effective in immunocompromised persons

これを受けて、朝日新聞の見出しは以下になりました。
「生後6ヶ月以上ならワクチン接種は原則1回WHO勧告」

WHOは発展途上国の公衆衛生を特に配慮している国際機関と言うことを考えれば、
「生後6ヶ月以上のすべての人は原則として1回接種でよいと勧告した」
とはならないでしょう。

「1回でもいいからできるだけ多くの子供に、ワクチンを打とう」となるはずで、
1回で十分というニュアンスは生まれてこないはずなのに・・・。
日本でも小児は2回になりましたが、下線部の基礎疾患のある患者さんは1回になりました。
原則1回接種は、朝日新聞の報道に影響を受けたというか、
誤報をうまく利用した、厚生労働省のずるさが目につきます。
ただし、厚生労働省が、小児の優先順位をあげたことは、公衆衛生上好ましいと思います。
また、天草市の安田市長が早い時期から自己負担の軽減を英断したことは、
厚労省からの指導で枠組みが変更できない以上、天草市として出来る精一杯のことであり、
非常に高く評価できます。



10mlバイアルについて
 新型インフルエンザワクチンは妊婦用を除いて「10mlバイアル」で供給される。
 通常の季節性インフルエンザワクチンは、1mlバイアルでの供給が当たり前。

なぜでしょう?
たとえば、1mlバイアルの場合、うまく使えない場合を想定し、通常1.4ml程度入っている。
つまり、一人0.5mlずつなので、二人に打つと0.4mlずつ無駄になる。20人に打てば8人分無駄になる計算。
これを10mlバイアルにすると、通常19人に打てるので、19人打って無駄は1人分という計算になる。
すごく無駄が少なくて、良さそうに思える、机上の空論。

受託医療機関に名乗りを上げた医療機関は60以上あります。
http://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/26230.pdf
このすべての医療施設で、1回封を開けたら、余った分は翌日には使えないので、
1日のうちに約20人分を使いきらなくてはいけない。

可能でしょうか?
もし、各診療所が平均で10人程度のワクチン接種を行うと、半分程度のワクチンが無駄になってしまう・・・。
最初の計算より悪くなりそう・・・。
もし、翌日に持ち越せば、病原菌が繁殖した者を注射することになり、本末転倒。

受託医療機関をこんなに増やさず、各保健所でするなど、まとめてすれば、
10mlバイアルは良い案だったかも。

猿知恵と言われたくないから、またものすごい通達を出してくるんだろうなぁ。



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