第二十回   「オニのトシゾーの失恋」（前編）

                   Ｗｅｂの駅見守り隊員の アマトー ・ ソージです！
                                    

     実は 僕 ヒジカタさんが なぜ 関西弁を嫌っているのか
     その理由を 知ってるんですよ ～！

     そろそろ ケースケさんに そのことを 話してあげようと
     思ってるんです

     でないと ヒジカタさんからイジメを受けていると悩んで
     いるらしくて かわいそうなんだもん ・・・

     僕だけが知っている ヒジカタさんの秘密 ・・・

     キーワードは 『手作りのお弁当』『卵焼き』『たくわん』
     『包丁』 そして ・・・ 『関西弁』 ！！！

     何のこっちゃと思うでしょ？

     ところで皆さんも 歴史の教科書なんかで 一度くらいは

     見たことがあると思うんですが ・・・ ヒジカタさんの写真！

     ヘアスタイルも すっごく キメちゃってるでしょ （笑） 

     あ、数多くの竜馬ファンの方 ゴメンナサイ！

     とにかく 史実にもあるように 『役者にしたいような美男子』

     なので 若い頃から もう モテモテで ・・・

     でも あまり深くつき合った女性は いなかったんですよね

     これまでに出会った女性の中には 赤い糸で結ばれた運命の
     人はいないな～んて ガラにもなく浪漫チックなこと言っちゃって～

     ところがある日 僕とヒジカタさんが 所用で出掛けた時のこと
     道端で 下駄のはな緒が切れて困っている若い女の人を見かけた
     ヒジカタさんは 器用に はな緒をすげ替えてあげたんです
     （ こういうこと スッゴクうまいんだよね～ このヒト！ ）

     楚々とした 綺麗な娘さんで 僕も ちょっと見惚れてたんですが
     ・・・ む！ おいお～い そこのお二人さ～ん！
     お互いに いつまで見詰め合っているつもりですか～

     その時 僕 ピンときちゃいました ・・・その彼女こそ きっと
     ヒジカタさんが 長年捜し求めていた運命の人に違いないって

     だって 僕にも その時 見えたような気がしたんですもん！ 
     間近に向かい合った二人の間に 運命の赤い糸が ・・・（笑）

     というわけで まるで ＴＶドラマのようなベタな出会いをした
     二人は これまた お定まりのデートプランを ・・・

     ちょうど 桜も満開の頃だったので 彼女が作ったお弁当を持って

     二人でお花見ということに ・・・
     （ そういうのって ヒジカタさん ガラじゃないんだけどな～ ）

     はたして 初めてのデート どういうことに あいなりますか

     桜といえば ヒジカタさんの好きな一句

     散る桜 残る桜も 散る桜 ・・・ ん！？ やな予感 ・・・！

     てっきり 『 ユー・アー・マイ・デスティ二ー 』 な～んて
     ラブロマンスに発展するだろうと 僕なりに期待していた
     ヒジカタさんと彼女の仲 ・・・桜の花が散るのに合わせる
     かのように 破局という残念な結末に ・・・

     お花見デートから幾日も経っていないのに ど～して！？
     気になる～！ 知りた～い！ 破局の真相！
     （ 僕も かなり ミーハーだな～ ）

     飲めば飲むほどに 頭が冴えるという お酒にメッポウ強い
     ヒジカタさんが なぜか連日 深酒悪酔いの繰り返し

     酔っ払うなんで 珍しい～ オニのカクラン？？？
     やはり 失恋の痛手のせいか ・・・
     でも 真相を聞き出すまたとないチャ～ンス！

     酩酊したせいで 饒舌になったヒジカタさんが ポツポツと
     語りだした初デートの詳細とは ・・・

     満開の桜の木の下 緋毛氈を敷いた縁台に腰掛け 小風呂敷に
     包んできた漆塗りの弁当箱の蓋を 恥ずかしそうに開ける彼女

     フンワリと仕上げたかったんだろうけど ちょっとコゲちゃって
     カチカチに巻かれた卵焼き！

     俵型なのか 三角型なのか ビミョ～なカタチのおニギリ！

     不揃いの厚みに切られて 皮一枚でつながってるタクワン！

     彼女 乳母日傘で育ったお嬢様だそうで 好きな殿方のために
     生まれて初めて作ったお弁当だったんでしょうね

     僕だったら それだけで もう大感激なのに！
     味や見かけは ドーデモイイです（笑）

     でも 誰に対しても つい遠慮会釈なく 自分の意見を
     述べちゃう性格のヒジカタさんのこと ・・・

     「卵焼きは 砂糖の入れすぎ」だの「たくわんの切り方が悪い」
     だの せっかくの愛情弁当なのに 感想というより 批判の数々

     可哀想に シュンとしちゃった彼女を その場に待たせて
     小半時後 長細い箱を手に持って戻ってきたヒジカタさん

     「 金物屋で 一番上等の包丁を買ってきたゾ！
        もっと 料理の勉強をするように！

        言っておくが 俺は 卵焼きの甘いのは 大キライだ 」

     え～！？ そりゃないよ～ 　ヒジカタさん！
     好きな人への初めての贈り物が 包丁だなんて～
     縁起が悪いですよ～ 縁が切れちゃいますよ～

     やっぱり 記念すべき初めてのプレゼントは ティファニーの
     指輪 もとい 翡翠や珊瑚のカンザシなんかでしょうよ～！

     なんだか これが原因で 彼女の心が離れてしまったみたいで

     俺も ちょっと言い過ぎたって ヒジカタさんも反省してるみたい
     これで オニのトシゾーの失恋話は おしまいデス！

     え？ そんなことで別れるのは 何だか納得いかないって？

     好きな男性に そこまでされたら 意地でも料理を勉強して
     「美味しいです！」って 相手に言わせてやるって？（笑）

     それに ここで話が終了したら キーワードの 『関西弁』の説明は

     どうするんだですって？

     そもそも シミジミ・ケースケさんから 『 何故 ヒジカタさんは
     関西弁を嫌うのか 』という話のテーマをバトンタッチされたん
     じゃないのか ・・・って？

     アハッ！ アナタ 記憶力いいですね～～！

     はいはい！ わかりましたよ ・・・ では 次回は 僕の代わりに

     いよいよ 隊の最終兵器に登場してもらって この件の決着を

     つけましょう！！！