2011年12月3日

                                         天草を全国にPRするぞ~!!!

     Webの駅では有名(笑)でも ☆甘口おケイ☆ 全国版ではまった~~く無名!

                     Kのアメーバブログ奮闘記

                       これは アメーバブログ12月3日付けの記事です

 

『銀天街物語』(第十話)真実

文 ☆ K(ケイ) 

「 つまり アサカは その・・・ コウジさんが 実体のない幽霊か

なんかだと言いたいわけ?  アハッ! その冗談 笑える ~!」 

ユウコは ワザと明るい調子で その場の重苦しい雰囲気を

変えようとしたが 親友の彼女は 相変わらず真面目な顔で 声を

潜めながら言った・・・

「 あの時ユウコ 私に こちらがコウジさんって紹介したじゃない

それまでまったく気づいてなかったのに ユウコが 手で指し示した

方に スーッと目を移すと そこに コウジさんが立っていたのよね

いたっていうか ・・・ 存在を認識させられたっていうか ・・・

なんだか すっごく奇妙な感覚だった ・・・

だから 私 彼と握手してみたのよね

幻ではなく ほんとに存在してる人間なのかなって思って ・・・ 」

「 そっか~ なるほどねえ~~

あの握手は そんな意味があったのか ・・・     

で、どうだった? コウジさんの手 氷みたいに 冷たかった?」

「 んも~っ! 真面目に話してんのに ~ ちゃかさないでよ!  

ちゃんと血の通った あったかい手でしたよっ!」

彼女は 口を尖らした

「 ごめん ごめん! 

だからさ~   さっきは アサカ 踊りの練習疲れで ボンヤリしてて

コウジさんの存在に気づかなかっただけだよ

それだけのこと! それより 私たちが ここに来てから もう十分は

経ってるわよ コウジさんを待たせてるんだから はやく帰らないと

あ、お母さん 私たちのプリン 冷蔵庫に戻しといてくれたかな~ 」

「 こんな時に よくプリンのことなんか 気になるわね~

そんな小さなことを気にするいつもは慎重な性格のユウコが

なんで 数日前に知り合ったばかりの男の人 ・・・ コウジさんを

信頼してるのか チョット不思議な感じがするな~ 」

「 え? そうかな ~ 」 そういえば自分も アサカが言ってるような

ことを コウジを信用しすぎている母親に注意したことがあったっけ

今では 自分もコウジに気を許しているように見えているのか・・・

ユウコは 親友の言葉で それに気付かされた ・・・ その時だった  

彼女の目線の先にある ロビーの奥のエレベーターの扉が開いた

上の階で集会があったらしく 七、八人の男女が 手に地図の

ようものと 飲みかけのお茶の入ったペットボトルを持ちながら

中から出てきた・・・ 

マップ

いちばん最後にエレベーターから出てきたのは リョウスケだった

ゆっくりとした足取りの年配の女性を気遣い 開のボタンを ずっと

押していたようだ    「 あ! リョウちゃんだ! 何してんだろ?」

「 え? リョウスケがいるの? やだ! 今見つかったら マズイよ 」

エレベーターに背を向けた席にいるアサカは 振り向きもせず 

うつむいて 身体を縮めるような仕草をした

「 ・・・ ん~ 大丈夫! みんなと一緒に 玄関のほうに向かってる

なんか 大人のひとに囲まれて 緊張してるみたいよ 

だから 私たちのことなんか 目に入らないんだ~~  

・・・ん? アサカ? どうしたの~~?」

アサカは テーブルに両手をつくと 突然 椅子から立ち上がった

「 そうだ!リョウスケだ!」  そう言いながら 彼女は リョウスケたち

立ち話をしている ポルトの正面玄関口へと 小走りに向かった 

「 アサカ!だめだよ もう 店に戻らないと・・・!」 

ユウコも アサカの行動を理解できないまま 彼女の後を追った

「 シュミレーションどおりに うまくできるかわかりませんが

自分たちも楽しんで 観光案内人になることにしましょう!   

では ご苦労様でした~~ 」

「 お疲れ様でした~ 」「 お疲れさま ~ 」「 天草弁で案内したほうが

親しみやすいかな ~ 」「 でも それだと 都会の人にワカルかい? 」

リーダーと思しき初老の男性が 散会の挨拶をすると メンバーたちは

三々五々 商店街の中に 散らばっていった  

どうやら リョウスケは 夏休みにボランティアをするといっていた 

街中観光案内に関する会議に 出席していたようだ

「 ナカヤマグチ君 期待してるからな がんばってくれよ  じゃあね! 」

「 はいっ! ガンバリマスッ!お疲れ様でしたっ!」

リョウスケは そのリーダー風の男性に 深々とお辞儀をして

玄関から表に出ようとしていた     

「 リョウスケく~ん !」 アサカが 声をかけた

「 おっ! なんだよ  二人して ・・・ またポルトで 暇つぶしか ~ 」

振り向いたリョウスケは アサカから声をかけられたのが 少し意外

だといった表情をした  アサカは リョウスケの少し乱暴な物言いや

行動を嫌い いつもはなるべく 彼に近寄らないようにしている 

無頓着なリョウスケも さすがに 自分が彼女に好感を持たれて

いないことは ウスウス気づいているようだ  

その彼女が 珍しく 自分から声をかけてきた!

「 今日も暑いわね ~  これから ユウコんとこで アイスコーヒー

でも飲もうって言ってたとこなのよ  リョウスケくんも 一緒にどう?

私 奢っちゃうから ねっ!」

「 ん ~  コレ 飲んじゃったから 今 喉そんなに渇いてないな ~ 

また 今度 オゴッテくれよ!  じゃ~  俺 忙しいから ・・・ 」

リョウスケは 手に持っていた空のペットボトルを アサカに見せると

その場から立ち去ろうとした  

「 プリン! 美味しいプリンもあるから!」

 アサカは リョウスケの背中を両手でグイグイ押しながら

進行方向を 無理やり キッチンHIROに向けさせた

「 プリンより どっちかっていうと 蜂楽饅頭のほうが ・・・

ってゆ~か コマツバラ おまえ いつもとなんか違うぞお~~

何か たくらんでんじゃ ・・・ 」

「 べつに 何もたくらんでませんよ~ そんな変な先入観

持たないでよ!  ねっ! ユウコ! セ・ン・ニュ・ウ・カ・ン 」   

アサカは リョウスケに気付かれないように ユウコに片目を

つぶってみせた ( ・・・ え?  何? 先入観・・・? ) 

メインロードを抜け キッチンHIROがある路地に入ったとたん

ユウコは 突然 アサカのもくろみが理解できた

( そうか! リョウちゃんは 今から まったく先入観無しに コウジ

さんと会うんだ! もしかすると お店の中に入った瞬間 お母さん

だけしか 見えないってことが ・・・ あるかもしれない?

お母さんから促されて それでやっと コウジさんの存在を認識

する?  まさかね ~ そんな バカなことが ・・・ )

「 あ! またコマツバラの父ちゃんと母ちゃん モメテんじゃん?」

路地に入って三軒目の アサカの両親が夫婦だけで経営して

いる小料理屋「青海」の前を通りかかると 準備中の木札の

下がった店内から 夫婦が言い争っているような声がしていた

「 あ ~  また 今日の献立のことで ディスカッションしてんのよ

ママがアドバイスしても パパ 頑固だから ・・・ 」

「 ママ、パパ、ディスカッション ・・・ なんか 商売柄似合わないな

俺なんか ちっちゃい頃からずっと 父ちゃん 母ちゃんだぜ 」

「 私は 中学三年生まで ママって言ってたんだけど さすがに

高校に入ってからは お母さんに変更!

最初は なんだか 照れ臭かったなあ~~ 」

「 そうなのよ  ユウコみたいに きちんと切り替えができなかった

から 私 いまだにズルズルと パパ、ママって言ってるのよね ~ 」

そこまで話すと 三人は キッチンHIROの店の前に到着していた

ユウコは 緊張した  おそらく アサカも 同じ心境のようだ

「 リョウスケくん お先にどうぞ」  アサカは ペパーミントグリーンの

ドアを開けると笑顔を作って リョウスケが先に店内に入るよう促した

「 なんか やけに 親切だな ~ 」 リョウスケは 首をかしげながらも

店の中へと 歩みだした・・・

リョウスケだけを店の中に入れ 二人は ドアの傍に立ち尽くしていた    

半分開いた扉から漏れてくる店内の冷気が アサカのすぐ傍に立って

いるユウコの頬に当たった

二人は 息を呑んで リョウスケの反応をうかがった・・・

「 おばさ~ん こんにちは~ ! ・・・・ 」

*おことわり*   これは あくまで フィクション小説です

 

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