第二十五話   「過剰反応!」
 
     『 ウィークリー・天草 』の取材記者 ミヤコです!
     後輩のアイちゃんとタッグを組んで 人のいいケースケさんから
     いろいろと 隊の内部情報を聞き出す計画だったのに ・・・
     それなのに オジャマ虫が~~ いったい何なの? この子~!
     といっても 相手は ハタチくらいの成人男性なんだけど 
     28才の私からすれば ナ~ンカ 子供っぽくて~~~ 
     まあ 見るからに爽やかな好青年ではありますが・・・
     ハタチの男性を つい『この子』と思った自分の齢が 悲しい!
     最初 私の顔を見て 彼 えらく驚いたようで 手に持っていた
     お皿を 床に落っことしちゃって ・・・お皿は割れちゃうし
     山のように盛られていたお饅頭は 食堂の床のアチコチに
     転がって 散らばっちゃうし ・・・あ~あ、大惨事!
     私の顔を穴の開くほど見つめたままで その場に立ちすくんで
     いる彼のもとへ 台所のほうから 料理人風のコワモテの男性が 
     駆け寄って来て、それで やっと彼も我に返ったみたいで ・・・
     「 ヨサブローさん ゴメンナサイ! せっかくのお饅頭を
        ダイナシにしちゃって~ ・・・ 」
     って 申し訳なさそうに謝ったら コワモテの相手のほうも
     「 お気になさらずに、それよりオケガは無かったですかい? 」
     なんて言いながら 手際よく お皿のカケラを拾い集めてたの
     へえ~~ 顔がコワモテのわりには 意外と優しいんだ~・・・
     でも ホッペタの傷 それって刃物の傷あとだよね~
     眉毛も 脱色してんでしょう? やっぱり ちょっとコワッ!
     「 ソージくん 気分が悪いんやったら 部屋で休んでるほうが
        ええですわ! ワタシ 部屋まで送っていきますんで
        お二人さんには 申し訳ありまへんけど ダブルデートは
        またの機会にということで ・・・ エライすんまへんな~ 」
     おいおい! そりゃ~ないでしょ~!!!
     せっかくハリキッて 敵地にのりこんだとたんに 撤退させられ
     ちゃうワケ? てゆ~か ただオシャベリにきただけの
     私たちに向かって 『ダブルデート』と言い切るケースケさん
     このヒトの性格 人がいい = あつかましいってこと???
     自分で言うのもナンですが 私 周りから お綺麗ですねって 
     褒められるのに 慣れてしまっているところがあって ・・・
     ( キャハッ! ホントのこと 言っちゃった~!)
     でもっ! 私の顔を見て 持ってたお皿を落っことしたヒトは
     いまだかつて 誰もいません!!!
     「 ねえ、私の顔 何かヘン? 何かついてる? 」
     傍にいるアイちゃんに尋ねたら 彼女 ・・・
     「 ん~~~ 別に ・・・ あ、そういえば いつもより 
        ファンデ厚塗りですよね~ ミヤコ先輩! 」 ですって!
     アイちゃん! 帰ったら オシオキだからねっ!
     すると ケースケさんから ソージと呼ばれた若者は 
     「 ミッ! ミヤコっていうんですか~!? アナタ 」
     えらく スットンキョウな声をだしたの! 
     今度はナニよ~? この子! 
     ( あ、また この子って言っちゃった~ )
     私の名前が 何よ? そりゃ ちょっと古風な名前だけど
     両親が 一生懸命考えてつけてくれた 大事な名前
     なんですからねっ!
     私の名前が どうしたって~~~???