2013年1月14日
「 あ、オハヨウさんです!
オダはんは ランくんと違うて 飲めば飲むほど
頭が冴え渡るタイプのようですなあ~~
ワタシみたいに ホッペタや鼻の頭が 真っ赤になる
ちゅうこともないし・・・ お酒の飲み方も なんや
スマートで カッコよろしいなあ~~ 」
「 昨晩は ハシバさんと男同士 ジックリと
飲んで話せてよかったんですが・・・ でもさすがに
午前四時までとなると 少々身体にこたえますね
アレッ? ハシバさんは ケロッとしてますよねえ~
どうやら僕よりずっと お酒は強いみたいだ・・・ 」
「 アハッ! オダさん 二日酔いですか?
今 コーヒー淹れてますから よかったらドウゾ 」
「 シバタさん 今日はバイトお休みですか? 」
「 うん、今日はゆっくりできるんだけどさ
でも 店には忘年会の予約が 何件も入っているし
明日からまた 忙しくなるだろうなあ~~ 」
「 おはようございま~す!
あ、コーヒーのいい香りい~~♪ 」
「 食堂の窓から海を眺めながら
モーニングコーヒーを飲めるなんて すっごく
贅沢ですよねえ~~ 」
「 だろ~♪ 東京で暮らしている時には
ぜんぜん考えられなかったよなあ~~
そういえば ランくんのオヤジさんも ペンションに
泊まっているお客に 食事を作ってたんだろ? 」
「 はい・・・ 宿泊客だけでなく 夏場は
ここの海岸は 日帰りの海水浴客が とても多いので
この食堂を 海の家みたいにして営業していたんですよ
海水浴やサーフィンを楽しむ家族連れや 若い人の
グループで すごく賑わって・・・ 忙しい時は オバサンも
ピンチヒッターで 手伝ってくれてました
友達と海で泳いだあと 父さんの作ったカレーライスを
食べたのが 僕にとって夏休みの一番の思い出です 」
「 オヤジさん いい料理人だったようだな
厨房を一目見れば オレにもわかるよ~~
コンロやシンクや調理スペースが 無駄の無い動線で
配置されているし オーブンや冷蔵庫の内部も
隅々まで 綺麗に掃除されていたしな・・・ 」
「 父さんが 毎晩長い時間をかけて シンクを
ピカピカに磨いているのを 小さい頃からずっと見て
きました・・・ 毎日同じことの繰り返しで飽きないのかな
・・・ な~んて 子供心に思っていましたけど(笑) 」
「 この建物が予定どおり取り壊しになって
いたら いくらキチンと手入れされた厨房機器でも
中古品として安い値段で 業者に買い取られていたか
と思うとさ・・・ ランくんが帰ってくると聞いて パーティー
用のオードブルを オヤジさんの厨房で作りながら
オレ・・・ 柄にもなく シミジミしちまったよ
なんだか オヤジさんの代わりに ランくんのために
料理を作っているような気がしてさあ~~ 」
「 伯父サンから 僕の好物を聞いたでしょ?
僕の大好きなものが いくつもありましたからね(笑)
シバタさんが 父さんがいつもいた場所で 僕の好物を
いろいろと作ってくれたこと・・・ とっても嬉しいです 」
「 ほんとに~~? ほんとに嬉しいって
思ってくれる? ちょうどみんなが揃っているんで
オレから報告したいことがあるんだけど・・・ オレ
実はさあ~~ ここで カフェレストランを開きたいと
思っているんだ!」
「 ウフッ♪ やっぱりねえ~~!
シバタさん きっと お料理関係のことをやるなって
私 予感してましたよ~~ 」
「 シバタさんが 私たちに 時々作ってくれる
パスタ料理が すっごく美味しいので いっそのこと天草で
お店を出したらいいのにねって ユキコちゃんとよく話して
いたんです♪ 実現したら ステキ~~! 」
「 オーシャンビューのカフェレストランでっか
夢のある話では ありますけどなあ~~
でも ここらへんは 夏場は海水浴客で賑わっても
シーズンオフは・・・ 見てみなはれ~~ 海辺には
人っ子一人 いまへんがなあ~~!」
「 ここの家賃は モリシマさんに 格安にして
もらっているし 厨房機器もまだ充分に使えるけれど
本格的に店をオープンするんだったら 家賃はかなり
高くなるが 本渡のほうで出店するほうが シバタくん
にとってはいいんじゃないかと・・・ 僕も思うけどな 」
「 実はですね・・・ ここで店をオープンすると
いっても 土曜・日曜の週末二日間だけなんです!」
ええ~!? シバタく~ん!
それって いったいどういうことなの?
週末だけの・・・ レストラン!!!???
To Be Continued !
*おことわり*
地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが
登場しますが これは あくまでフィクションです