「 それから・・・って?
それで オシマイなんだけど~~
飛行機で東京に帰ってきて 朝寝坊してちょっと
遅刻したけど 午前の講義を受けて・・・それから
こうして オマエと昼飯食ってる!」
「 んじゃ その連中とは それっきりか~ 」
「 ウン! たぶん もう二度と会うことも
ないと思うよ~~
父さんが亡くなって ペンションも取り壊されるし
それに 僕 大学卒業したら このまま東京で
就職するつもりだし・・・ これからは 天草に帰る
機会も めっきり減るだろうしね~~ 」
「 女の子たちと メアドも交換しなかった
のかあ~? お近づきのチャンスだったのにさ 」
「 アハッ! オマエとは違うよ~~!
・・・でも みんなの話を傍で聞いていて 僕が チョット
気になっていたことがわかったんだよね~~
彼ら五人 ハンバーガー店に来る前に すでに
《ハローワーク》で出合っていたんだってさ~~ 」
「 ・・・ 《ハローワーク》!?
そりゃまた 一風変わったトコロで 知り合ったもん
だよなあ~~
それぞれ 職探しをしていたってわけか~~
オマエの故郷って・・・ たしか 長崎県の《アマクサ》
とかいうトコロだったよなあ~~
若者の就職先は いっぱいあるのかい? 」
「 何べん言ったら・・・ もうッ!天草は
熊本県だってば~! いいかげん覚えろよな~~
今は 地方はどこも景気悪いし 天草は 特に・・・
あ、電話・・・ あ、天草のウワサしてたら 天草の
伯父サンからだ(笑)
ペンションの取り壊し たしか三日後だったから
そのことかな~~? 」
「 オレ コーヒーのおかわり注いでくる 」
「 ああ、伯父サン 今ちょうど 友達と天草の
話題をしていたところなんですよ・・・ え?
ペンションの取り壊しが 中止になったんですか?
何で? エッ? 建物の借り手が現れた・・・って?
詳しい話は 僕が冬休みに帰省した時にでも・・・って
あ、伯父サン あの~~ 父の三回忌に天草へ帰った
ばかりなので 今年の冬休みは 東京で過ごそうと
思っているんです
それに 僕 今 旅行社でバイトしているんですよ~~
バイト代は全部貯金してるんで どうしてもまた 天草に
帰らなきゃいけないんだったら 旅費ぐらいは大丈夫
なんですけど~~
でも 旅行社も12月がかき入れ時で クリスマスツアーの
添乗員のアシスタントを頼まれているし~~
スイマセ~~ン やっぱり 帰省できそうにありません
あのペンションの件は すべて 伯父サンにお任せして
いますので 伯父サンがいいと思えばどのようにでも・・・
僕のほうは いっこうにかまいませんから・・・
誰かそこで ペンションをやりたいってことですか?
え? ペンションじゃなくて シェアハウスとして借りたい?
シェアハウスでも 建物は取り壊さなくてすむんだから
僕も賛成するにちがいないって・・・ 借り手がそう言って
いるんですか~~? なんでだろ???
( 僕がどう思うかなんて なんでわかるんだよ~~ )
建物の内部を見たいというので 現場まで案内してきた
ところだって・・・ はあ~ そうなんですかあ~~
ペンションの個室は ちょうど五部屋あるんで 都合が
いいって・・・ つまり 五人で借りるってことですか?
( ・・・ん!? 五人・・・って・・・ まさかね~~ )
あ、伯父サン 直接 その五人に会ったんですよね?
あの~~ もしかして その五人って 男性三人 女性二人
とかだったりして・・・ それで その中に 背の高~い男の
ヒトがいたりして・・・ エッ? そうなんですか!?
ホントにそうなんですか~~ エエエ~!!! 」
( な、なんだか エライことになりそうな気がするゾ~~
アレッ? だけどヘンだな~~?
もしも・・ もしも あの連中だとしたら・・・ どうして?
あまり彼らとは 関わりを持ちたくなかったから
あの時 僕 ペンションの詳しい場所なんて
喋ったりしていないはずなんだけど・・・
いったいどうやって 探り当てたんだあ~~??? )
To Be Continued !
*おことわり*
地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが
登場しますが これは あくまでフィクションです