2013年1月27日

               『AMAKUSAシーサイド広告社』

          これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた

          若者たちが力を合わせて 就職難の故郷で起業するために

          奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)

          彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る一人の女性も

          彼らと深く関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》!!!

          彼らは ふるさと天草の宝を見つけることができるかな?

 

            第十一回 「ファーストミッション!?」

                                 文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ) 

ユキコ「 あれからずいぶん時間が経ったけど・・・

オダさんの部屋の中は どんな様子なんでしょうね? 

ほんとは 私がお客さんにコーヒーをだしたかった

んだけどなあ~   ついでに話も聞けただろうし・・・ 」

          

キヨミ「 私だって すご~く気になってんのよ

それに お客さんに お茶やお菓子をだすのは

ワタシたち女性のほうが感じがいいと思わない? 」

 

シバタ「 いやいや、オレが淹れたコーヒーなんだし

オレがイチバン お客にだす権利があるだろう?(笑) 

 

 ハシバ「 みんなでジャンケンしたらって提案した

んやけど  ランくん どうしても自分でコーヒーもっていく

って言い張って・・・ オダさんの部屋に入ったまんまで

なかなか出てきまへんで~~ 

彼なんだか オダさんの仕事に興味があるようですな 」

 

シバタ「 オダさんはクライアントっていったけど

アレ どう見ても ここら辺の農家のオッサンだよな 」

 

キヨミ「 だいたい オダさん ここでどんな仕事を

するつもりなんでしょね? 」

 

ハシバ「 なんでも 広告代理店ということらしい

ですわ~~~  ランくんが オダさんから 電話で

チラッと聞いたそうですけど・・・ ワタシは パタンナーも

広告代理店も どんなことしはるのか ようわからんの

ですけどな~  あ、クライアントぐらいはわかりまっせ!

なんせ 長いこと保険屋してましたからなあ~~(笑)」

 

ユキコ「 オダさんの部屋って 今はどうなってるの?  

最初にみんなで このペンションの内部を見学した時は

二間続きの普通の和室だったでしょ?

オダさん そのあと 模様替えとかしたのかなあ~?

男の人の部屋だから 私もキヨミさんも あれから覗いた

ことないんですよねえ~~ 」

 

シバタオレとハシバさんと オダさんの部屋で

何度か酒を飲んだことがあるけどさ~~ ほとんど

あのまんまだぜ~~

一部屋は 寝室と書斎に使って もう一部屋は

真ん中にちゃぶ台がひとつ置かれていて・・・

オダさん あれで 応接室のつもりなのかな?(笑) 

 

ハシバ「 男同士の飲み会は やっぱり アグラも

かける畳の部屋のほうが くつろげますなあ~~

そうそう 柱に鉛筆で線が引かれてあって ランくんの

お父上が 毎年 ランくんの身長を測っておられたん

ですな~~  それ見ると ランくんて 小学生の頃は

案外小柄だったみたいですけど・・・ ようあそこまで

大きく育ったもんですわな~~(笑)」

 

ユキコ「 あ、ランさん!

お客さん もう帰られたんですか?  

 

蘭「 うん、オダさんが 今 見送っているよ 」

 

ハシバ 「 お客はんは 地元の方でっか? 」 

 

蘭「 ええ、ミヤモトさんといって ここから車で

15分ほどのところで ミカン農園を経営されている

そうですよ  ポンカンやデコポンや晩柑・・・そうそう

レモンも栽培してるんですって~~ 」

 

ハシバ 「 で、話の内容は どないでしたん?

 

蘭「 まだ試作の段階の蜜柑ジャムの瓶詰め

を持ってこられて オダさんにいろいろと相談されて

いました  収穫した無農薬で糖度が高い温州ミカンを

つい最近完成した農園の加工所で ジャムにされた

そうです   来月下旬 東京のデパートで開催される

《熊本フェア》に 農園のちぎりたての柑橘類を出品

されるんで その際 新製品の蜜柑ジャムも ぜひ

販売したいとかで・・・  」

 

シバタ「 でも なんでその人 オダさんの存在を

知ったのかなあ~~? 

モリシマさんからの紹介とか・・・?」  

 

蘭「 いえ、今回のことは 伯父サンとは

まったく関係ないみたいです

天草の情報サイトを あちこち検索していたら

たまたま オダさんのHPと出合ったようですよ   

 

シバタ「 へえ~~  オダさん いつの間にか

地元のサイトに 自分のHPを掲載してたんだ~  」 

 

ハシバ「 あ、オダはん お疲れさん!」

 

織田「  シバタくん コーヒー ゴチソウサマ!

すごく旨かったよ  

 

シバタ「 オダさんに そういってもらえると

自信がつきます(笑)

あのコーヒー豆 これから店で出すコーヒーに

使う予定ですんで 」

 

キヨミ「 ねえねえ オダさん、 私たちにも

蜜柑ジャムの試作品というのを見せてくださ~い 」

 

織田「 ああ、これなんだけどね・・・

みんなに試食してもらって 感想を聞かせて欲しい

んだけど  」

   

シバタ「 おっ!  すげえ美味そうなジャム!

だけど 透明なガラス瓶に入ってるだけで ちょっと

味気ないかな~~ 」 

  

織田「 そう、これから 瓶に貼るラベルの

デザインや制作・・・ その前に 商品のネーミング

ロゴデザイン、箱入りにするんだったらパッケージ

デザインに・・・広告をする場合は キャッチフレーズや

宣伝文句、ポスターデザイン、HPを作るにも やはり

専門家に依頼したほうが 魅力的なものに仕上がるしね 

 

蘭「 広告代理店って いったいどんなことを

するのか 僕 よくわからなかったんですよ~~ 

だから ミヤモトさんと一緒に オダさんの話を聞いて

ミヤモトさんと同じくらい いろいろ質問しちゃいました 」

 

織田「 広告代理店とは わかりやすく説明すると

 クライアントから依頼された商品を いかに消費者に

選んでもらえるか 販売効果を上げるように お手伝い

する仕事なんだよ 」

  

蘭「 ミヤモトさんは  蜜柑の加工品販売は

今回が初めてなので オダさんのような専門家に

アドバイスしてもらえれば きっと心強いですよね 」

 

シバタ「 無農薬で 糖度も高いということなら

きっと東京でも よく売れそうだよなあ~~

蜜柑のツブごと そのまんまジャムになってるのも

いいカンジだしさ 」  

   

ハシバ 「 では さっそく みんなで試食しまひょ ♪  

あれ?  瓶の蓋が開封されているということは・・・ 」

 

蘭「 ええ、ミヤモトさんの前で オダさんと僕

味見してみたんですよ 」  

 

 織田「 ランくんの感想は どうかな?

ミヤモトさんの前で とても美味しいと言ってたけど

あれは 本音か?  それとも リップサービスかな?

僕としては・・・  このジャムは 自信を持って売り出せ

ないと思うんだが・・・ 」

 

えええ~~??? 何でそんなこと言うのよ~~

せっかくのクライアントの依頼なのにい~~!

それに アナタ 仕事を選べるご身分なの? 

 

                  To Be Continued !                          

 

                                             *おことわり*

      地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが

      登場しますが これは あくまでフィクションです