『AMAKUSAシーサイド広告社』
これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた
若者たちが力を合わせて 就職難の故郷で起業するために
奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)
彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る一人の女性も
彼らと深く関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》!!!
彼らは ふるさと天草の宝を見つけることができるかな?
第十回 「 クライアント現る!?」
文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ)
「 オダさんたちと出会ったあの日・・・ オレ
ホテルやレストランのシェフの求人が 一件くらいはある
だろうって安易な気持ちで ハローワークにいたんですよ
でも 現実は厳しく 思いどおりの就職口が無くて 今も
洋風居酒屋のバイトをして 生活費を稼いでいる状況
なんですが・・・ このシェアハウスで暮らすうち なんだか
ここの厨房や食堂に 次第に愛着が沸いてきちゃって・・・
そりゃあ オレだって カフェレストランの立地条件としては
不利なことも 充分わかってはいるんですよ~~
わかってはいるんだけど・・・ 」
「 ううん、大丈夫ですよ~!
私たち若い女の子って 美味しいものが食べられるん
だったら 少々お店が遠くても 平気ですもん♪ 」
「 おう! 心強いエールを アリガトなッ!
営業日にはどうしても シェアハウスの共用スペースを
独占しちまうことになるんだけど さっき言ったように
カフェレストランは 週末二日間オープンするだけなんで
平日はこれまでどおり 厨房と食堂は みんなが自由に
使えるし・・・ それから 土日をここで過ごす人の食事は
オレのほうで ちゃんと用意するんで・・・ ただし オレが
食べるのと同じマカナイ料理で シンボウして欲しいん
だけどさあ~(笑) 」
「 ワタシ 基本的に土日がお休みですねん
いやあ~ 休日毎に シバタはんのマカナイ料理が
食べられるなんて ラッキーですわ~ ♪ 」
「 でもさ オレの個人的な稼ぎのために この
シェアハウスの共用スペースを使用することが 少しでも
みんなの迷惑になるんだったら この計画は最初から
なかったことにするからさ~~ オレとしては ここは
あくまでも みんなが共同で楽しく暮らすシェアハウス
だということを 何より大事にしたいって ホントに思って
いるんだぜ こんなこと言って ちょっとテレるけど(笑) 」
「 だれも 迷惑やなんて思わへんですやろ
そないに気にせんでも 大丈夫でっせ~~
そもそも これまでここで 料理らしい料理を作っていた
んは シバタはんとワタシしかおりまへんでしたしな~
オナゴはんが 二人もいはるのになあ~~(笑)」
「 ウフッ! 耳が痛いですう~~(苦笑)
ハシバさんに よくお料理をゴチソウしてもらうんだけど
私は特に ハシバさん特製のホットケーキみたいに
フックラと焼けた関西風お好み焼きが ダ~イスキ ♪ 」
「 キツネうどんも すっごく美味しいです ♪
でも私だって 年が明けて職場に通いだしたら
毎朝ちゃんと お弁当を作るつもりですよ~~ 」
「 オレも 週に三、四日ほどは 今の店の
バイトを続けるつもりなんだよ
バイトとはいえ やっぱり 一定の収入があるのは
心強いからねえ~~ 」
「 夢を追求するための アルバイトっちゅう
わけですなあ~~
週末だけのカフェレストランでっか~~ なんや ソレ
面白そうやないですかあ ♪
ワタシらに遠慮せんと やってみなはれ~~
そや、お店が忙しい時は 皿洗いぐらい手伝いまっせ! 」
「 あ、私も! 遊びや買い物で出掛けない
日は 何かお手伝いができるかも~~ ♪ 」
「 シェアハウスの仲間が ここで何か自分の
力を試したいことがあるんだったら 僕たちも できるだけ
協力したいと思っているよ
それに ここで起業したいと考えているのは シバタくん
だけではないぞ~~ 」
「 実は 私も 自分でデザインした服を作って
ここの食堂の一角に 展示と販売コーナーを設けたい
って オダさんに相談したばかりなんですよ 」
「 キヨミはん 東京のアパレルメーカーで
え~と、なんちゅうたかな・・・ そうそう パタンナー
とかいう仕事をしてはったそうですわ~~
スゴイでっしゃろ~! ていうても ワタシ パタンナーて
何しはるんか ようワカランのですけどな(笑)」
「 へえ~~ 服飾関係の仕事かあ~~
どうりで 部屋着にしても いつもセンスがあるヤツ
着てるなあ~って思ってたよ ホントに・・・
でも 東京のアパレル会社に入社できて 恵まれた
環境にいたんだから そこで デザイナーになる
勉強をするほうが キヨミくんの夢を実現できる
近道だったんじゃないか?
こんな田舎に引っ込んで 夢の実現へワザワザ
遠回りになるようなことしなくてもさあ~~ 」
「 ・・・ええ、服作りのことだけを考え
られたら そのほうがよかったんですけど・・・
でも・・・ いろいろとあって・・・ 」
「 あ! ゴメン! オレの悪いクセで
疑問に思ったことは そのまますぐに 口に出し
ちまうんだよなあ~~
そりゃあ 都会から天草にUターンしてきたワケは
お互いに いろいろとあるよなあ~~
もちろん このオレだって・・・イロイロとな(苦笑) 」
「 でも 私 ここで 心機一転して 頑張って
みようと思っているんですよ~~
田舎といっても 今は ネット販売とかの方法もあるし
とりあえず ここは 自分ブランドのアンテナショップの
ようにしたいんですけど・・・ あの~~ シバタさん
同じフロアでこんなことしても かまいませんか?」
「 オレとしては あくまでもカジュアルな
カフェレストランというのをコンセプトにしたいんで
洋服や雑貨を店内で展示販売しても ちっとも
かまわないぜ~~
かまわないというよりは むしろ 大歓迎だよ~~!
きっと 楽しい雰囲気の店になりそうだ ♪
キヨミくんが作った洋服を見に来た女性客目当てに
メニューもパフェとかスイーツ類を充実させようかな 」
「 私が働くブティックは ハシバさんや
ユキコちゃんの勤め先みたいに 土日がお休みじゃ
ないんで シバタさんのお店を手伝えなくて残念だけど
私にできることが 何かあったら・・・あ、そうだ~!
シバタさんに似合いそうなシェフエプロンを作って
みますねッ♪ 出来上がったら ぜひ着てくださいよ~ 」
「 おう、そりゃ 嬉しいなあ~~!
んじゃ あんましハデじゃないヤツを頼むわ!(笑) 」
「 ・・・そうそう ランくんも 私たちに何か
言いたいことはあるかな?
この建物の管理をしているのは モリシマさんだけど
法的な所有者は ランくんだからな~~
お父さんが遺したペンションが シェアハウスになった
だけではなく 複数の人間が ここで起業することに
なるんだし ランくんにとっては なんだか想定外な
ことばかりだよなあ~~ 」
さてさて ランくんの意見は・・・?
第十回後編は コチラから どうぞ!