『AMAKUSAシーサイド広告社』
これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた
若者たちが力を合わせて 就職難の故郷で起業するために
奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)
彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る若者も 彼らと深く
関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》!!!
彼らは 故郷天草の宝を見つけることができるかな?
第六回 「やっぱり気になる!」
文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ)
さて あれから数日後・・・ ランくんとホソカワくんは
冬休みの計画などを 話しているみたいですが・・・
「 つまり 何か? モリシマとしてはさあ~~
オヤジさんが遺したペンションを 取り壊さなくてもよく
なったことは嬉しいけど 例の五人に 好き勝手に使われ
るのが ちょっとその・・・ 気に食わないってことか? 」
「 う~~ん 気に食わないってまでは
いかないけど・・・ でも やっぱり気になるというか 」
「 天草と東京じゃ離れすぎてて ちょっと
様子見に帰るってこともできないしなあ~~
オマエ 今年の冬休みはバイトがあるんで 帰省
できないっていってたよな 」
「 ああ、バイト先の旅行社が企画している
ツアーの添乗員のアシスタントをするんだけどね
まず最初は 《クリスマスツアー》・・・ 観光バスで
東京のクリスマスイルミネーションの名所を数箇所
巡って そのあとホテルで 立食スタイルのクリスマス
ディナーってコースなんだけどさ 」
「 なんだ~~ けっこう定番コースだよな 」
「 いや、このツアーの真の目的は 《婚活》で
ホテルでの夕食は メインイベントの《婚活パーティー》
っていうことなんだけど・・・ まあ オマエみたいに
ガールフレンドと一緒に スキー旅行の計画を立てて
いる幸せ者には 関係ない話だけどね 」(笑)
「 ガールフレンドとスキー旅行ね・・・
あの話は・・・ その~~ もういいんだ・・・ 」
「 え! どうした? 旅行資金が足りない
んだったら 少しぐらい貸してやってもいいぞ~~ 」
「 いや、お金の問題じゃなくて・・・
こないだ 些細なことで 彼女と口げんかになってさ
それがエスカレートしちゃって・・・ もう俺の顔なんか
見たくもないって・・・ 彼女 今 元カレと急接近中!
つまり フラれちまったってこと~~ アハッ! 」
「 おやおや それは ゴシュウショウサマ!
じゃあ スキー旅行は ホソカワ独りで行くのか? 」
「 まさか~! カップルだらけのゲレンデで
独りで滑ったって 楽しくもなんともないさ~~!
しょうがないから スカイツリーの展望台から 東京の
夜景でも 独り寂しく眺めることにするよ
そこだって たぶん カップルだらけなんだろうけど 」
「 スカイツリー見学だったら 今度のコース
にも入って ・・・ あ! オマエのスキー旅行がダメに
なったって聞いたんで 今 ちょっと思いついたことが
あるんだけどなあ~~ 」
「 な、なんだよ~~ オレ お膳立てされた
婚活パーティーなんて ゼンゼン興味ないからな~~
結婚なんて オレたちには まだまだ早すぎるだろう?
結婚相手探しより まずは 素敵な恋人探しだ!
恋人くらい 自分の力で見つけるぞお~!
あ、そうだ! さっそく来年の目標にしよ~~っと♪ 」
「 ・・・いや、ツアーの参加者じゃなくて
その人たちをサポートする側なんだけど・・・
なあ ホソカワ やってみる気ないか?
添乗員さん一人で世話するのは とても無理なんで
どうしてもアシスタントが必要なんだよ 」
「 え? それって オマエの仕事じゃん!」
「 旅行も楽しめて お小遣いも稼げて
それに ツアー参加者の半分は 女性だし・・・
きっと モテモテだぞ~~! だから 頼む!
僕の代わりに このバイト 引き受けてくれないか?
オマエだったら 性格もルックスもいいから 旅行会社
のツアー担当者にも ウケがいいと思うし・・・ そうだ!
さっそく明日 僕と一緒に会社に行って 担当者に
会ってくれよ~~ なっ!」
「 ちょ、ちょっとまてよ~~
な、なんだよ 突然に~~???
オマエの代わりをしろってか? 」
「 なあ ホソカワ・・・ あのな
この話は オマエにだけするんだけど・・・ 」
「 え? あ、こないだ モリシマが
初対面の男性の胸を借りて 泣いちまったって
話は オレ 誰にもシャベッテいないからなッ!」
「 うん・・・ 実は その彼・・・ オダさん
っていうんだけどさ~~ あの時 なんでなかなか
涙が止まらないんだろうって 自分でも不思議
だったけど どうやら 彼から 父さんと同じ匂いが
していたせいじゃないかな~~って・・・ 」
「 え? オヤジさんと おんなじ匂い?
加齢臭とか したのか~~?」
「 アハッ! まさかあ~~!
父さんが吸っていた煙草の匂いと同じだったんだ
だから・・・ 急に 父さんのことが思い出されて
それで つい・・・ ずっと泣いていたいような
ていうか 甘えていたいような気分になって・・・ 」
「 いやはや ずいぶんとセンチメンタル
になったもんだなあ~~ 」
「 自分でも 女々しいと思うけどさ 」
「 でも・・・ オマエにも そんなところが
あるなんて意外だよな~~
なんせ いつもクールなモリシマくんだもんな! 」
「 クール? そうかな~~?
自分では そうも思わないけど・・・ 」
「 あのさ~~ オレも オマエにだけ
話すんだけどさ・・・ 彼女にフラれるよりも
オマエと友達でいられなくなるほうが きっと
何倍もツライと思うよ~~
あんまり受験勉強もしなかったオレが この大学に
入れたこともツイてたけど オマエと親友になれた
ことは もっとラッキーだったしな♪ 」
「 あ、ありがとう・・・ フフッ!
なんだか 面と向かって そんなこと言われると
テレるよな(笑) んじゃあ さっそくだけど これ
クリスマスツアーのパンフと日程表ね・・・
詳しいことは 担当者から説明があるけど 」
「 ・・・ん? オイオイ! パンフの表紙に
《中高年のためのクリスマスの出会いツアー》
ってあるぞ~~??? 」
「 ああ、言い忘れてたけど だいたい
40代から50代の男女が対象なんだよねえ~~
あと これが 《初日の出ツアー》の日程表・・・
行き先がスキー場だったら よかったんだけどな 」
「 どうせ 箱根の温泉か何処かだろ?
まあいいさ~~ 親友にそこまで頼まれたら
引き受けるしかないもんな~~
だからさ~~ なんで バイトを交替するんだ?
オマエ なんか急な用でも思い出したのか? 」
「 僕は・・・ 僕は やっぱり・・・
天草に帰るッ! 」
To Be Continued
*おことわり*
地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが
登場しますが これは あくまでフィクションです