2012年12月9日

              『AMAKUSAシーサイド広告社』

          これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた

          若者たちが力を合わせて 就職難の故郷で起業するために

          奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)

          彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る若者も 彼らと深く

          関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》!!!

          彼らは 故郷天草の宝を見つけることができるかな?

 

              第四回 「運命なんて信じない!」 

                              文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ) 

ホソカワん?  どうした?  モリシマ~~

なんだか 冴えない顔してるゾ~~

伯父さんからの電話 何だって? 

 

蘭「 ・・・・ああ~  ペンションの取り壊しは

中止になったんだってさ~~

あの建物をそのまま シェアハウスとして借りたい

っていう希望があるとかで・・・ でも 詳しいことは 

よくワカンナイんだけどね 」

 

ホソカワ「 ヘエ~~  意外な展開だよな・・・ 

オヤジさんが遺したペンションが取り壊される前に

いっぺん見ておけばよかったなあって オレだって 

ちょっぴり後悔してたんだからさあ~~  

な~んだ よかったじゃん! 

だったら そんな顔してないで もっと喜べよ~ 」

 

蘭「 喜べったって・・・ 父さんのペンション

これからどんなことになっちゃうのか・・・

だってさ 借りるのは 例のあの五人みたいなんだ 」

 

ホソカワ「 え?  あの連中とは それっきりになる

ハズじゃあ・・・ そっかあ~~ やっぱり あれは

運命の出会いだったってことですよ~~ ランくん! 

なんか またオモロい話が聞けそうだな(笑) 」

 

蘭「 運命の出会い!? まさかあ~~!

あの五人が ペンションを丸ごと借りてシェアハウス

にしても 東京で暮らしている僕には関係ないさ~

天草と東京だよ!  遠すぎるってば~(苦笑)

あ、電話・・・ 伯父サンかな?・・・ ん、違った~~

もしもし・・・? 」

 

ハシバ「 ランくう~ん ♪  お久しぶり~~

ていうか 昨日の昼間に別れたばっかりですけどな 」

 

蘭「 ・・・・・・! 」

 

ハシバ「 ハシバですう~~ 

ハシバ ヒデヒコで~す!」 

 

蘭「 ・・・・・・グッ! 」

 

ハシバ「 あれ? もうお忘れですかあ~~?

昨日 天草のハンバーガー店で ランくんと同席

した二人連れの・・・ 」

 

蘭「 も、もちろん 覚えていますよッ!

そのコテコテの関西弁! 」

 

ハシバ「 いや~~ 高校卒業するまでは 天草

から一歩も出たことがなかったんやけど 長いこと

大阪で営業の仕事をしてたもんで 大阪弁が身に

染み付いてしまいましてん   アハハッ 」 

 

蘭「 どうして 僕の携帯の番号を? 」

 

ハシバ さきほど ランくんのオジサンから

教えてもらいましてん♪

なんや気さくで ええお人ですなあ~~ 」

 

蘭( 伯父サン・・・ 余計なことを・・・ )

 

ハシバ「 オダはん・・・ あの背の高い ちょっと

キザな・・・ ていうか ランくんが泣きついていた

お相手ですけどな~~ 」

 

蘭( 一生 言われそうだ~~ )

 

ハシバ「 亡くなったお父上のペンションを

取り壊すのは ほんとは辛いというランくんの気持ち

オジサンに代弁されてましたでえ~~

オダはんも 見かけと違うて 優しいお人や~~ 」

 

蘭( 伯父サンに チクったのか~~ 

もうっ 余計なことを~~ ) 

 

ハシバ「 オジサン 言うてはりましたでえ~~

ランくんのホントの気持ちに気づけなかったって

・・・ ランくんのほうも もっと正直に 自分の想いを

打ち明けてもよかったんとちゃいますかあ~~?

なんちゅうても オジ甥の間柄やないですかあ~~ 」 

 

蘭「 ・・・ 言えませんよ・・・ そんなこと・・・

だって 僕は 伯父サンとは・・・ 」

 

ハシバ「 え? オジサンとは・・・?  」

 

蘭「 あ・・・い、いえ 何でもありません!

それよりも ペンションの場所 よくわかりましたね

どうやって?  なんだか不思議・・・ 」

 

ハシバ「 だって ランくん あの時 オダはんに

《天草の西海岸の小さなペンション》を取り壊すって

話したんでっしゃろ~~?」

 

蘭「 えっ? あ!  そうだった・・・ かな? 」 

 

ハシバ「 必要な情報は それで充分でっせ~!

西海岸を重点的に 天草島内の建設業者や解体業者

に電話をかけまくりましてん!

何件目かでやっと ここだとわかったんですわ~~

管理されているランくんのオジサンの家も 教えて

もらいましてん! 」

 

蘭( さ、さすが もと営業マン・・・

すごい行動力だあ~~ )  

 

ハシバ「 今 みんなで 建物の中を探検 いや

点検しているとこですけどな・・・ 二年前まで営業

してはっただけあって 内部は綺麗なもんですわ~

たしかに 屋根や壁は ちょっと傷んでいるところも

ありますけどなあ~~

海岸沿いの家っちゅうのは どうしてもいろいろと

ダメージを受けやすいようですなあ~~ 

でも ワタシ こうみえても 日曜大工が趣味でして

自分で言うのもなんですけど かなりの腕前でっせ~

なんや久しぶりに カーペンター魂に火がつきましたわ

 ランく~ん このハシバにお任せあれ!

お父上が遺されたこのペンション ちゃんと修理して

みせますからにイ~~ ♪ 」 

  

蘭「 はあ~~ まあ ご自由に・・・  」

( としか言えないよなあ~~

僕の知らないところで どんどん物事が進んでいく

・・・ でも 伯父サンに ペンションのことは すべて

お任せしますって言っちゃったからには もう僕は

なにも口出しできないし・・・  )

 

ハシバ「 あ、オダは~ん! 今 ランくんと電話で

話してるとこですけど なんか用はないですか~~?

電話 代わりましょか~~? 」

   

蘭「 え?  ハ、ハシバさんッ!

べつに代わらなくても いいですからッ!(汗)

( 僕のほうは 彼に用なんかないって!)

ハシバさ~ん! 聞いてます~~? 

ハシバさんったらあ~~!  」

( このまま 電話を切ってしまいた~い!!! )

 

いよいよランくんは オダくんから 彼らがペンションを

借りた本当の目的を告げられるのかしらん?   

 

                           To Be Continued !                          

 

                                             *おことわり*

      地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが

      登場しますが これは あくまでフィクションです