2012年12月2日

              『AMAKUSAシーサイド広告社』

          これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた

          若者男女六人が力を合わせて 就職難の故郷で起業するために

          奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)

          彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る一人の女性も

          彼らと深く関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》

          この七人も 故郷天草の宝を見つけることができるかな?

 

          第三回 「 事件は天草で起きている! 」 

                      文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ) 

 

さてさて ここは ランくんが通っている東京の

某私立大学の学生食堂です

ちょうど ランチタイムのようですね~~

 

ホソカワ「 ・・・でさあ~~ モリシマ~~

さっきの話の続きだけど オマエが その見ず知らずの

男性の胸を借りてさんざん泣いちゃったあと・・・

いったいどういうことになったんだよお~~???

けっこう コッパズカシイシチュエーションだぜえ~~  」

 

蘭「 やっぱ・・・ そうだよなあ~~

ハンバーガー店の前の道路は国道で 車はバンバン

走っているし 今思い出しても なんであんな場所で

あんなことしたのか 自分でもよくワカンナイんだ・・・ 」

 

ホソカワ「 想像しただけでも・・・ ハズイ~~!

オレだったら 東京タワーの上から 飛び降りたい~~ 」

 

蘭「 それに 僕たち二人 ちょうどその店の前の

歩道に立っていたんで ガラス窓越に 店内のお客さん

たちにも目撃されたみたいでさあ~~

同席した男の人たちと 後から店に入ってきて僕たちの

隣のテーブルに座った女の子たちも なんだなんだって

興味津々な様子で 店から出てくるし・・・ 」

 

ホソカワ「 わわわ~~!  オレ 飛び降りる場所を

スカイツリーに変更しよ~っと! 」

 

蘭「 で、どういうわけだか その四人も

バスセンターの待合室で バスの出発時間まで

僕に付き合ってくれて・・・ ホントは 時間もあるから

ハンバーガー店に戻って 熱いコーヒーでも飲んで

気分を落ち着けたかったんだけどさ・・・ 」

 

ホソカワ「 アハッ! そりゃできないよなあ~~!

オレなら一生 その店には出入りしないゾ! 」

 

蘭「 それで その日に知り合っただけの

間柄のご一行様総勢六名で 待合室の椅子に

座っていたんだけど・・・ 次第に 狭い待合室が

病院や買い物帰りのお爺さんお婆さんたちで

いっぱいになってきて・・・ 」

 

ホソカワ「 そういう時は どうしたって 若いモンは

席を譲らなきゃあ~~ 」

 

蘭「 昨日は 九州のほうも かなり肌寒くてさ

僕たち全員 バスセンターの建物の外のベンチに

横一列に腰掛けて 自販機のホットコーヒーを

チビチビすすりながら バスを待つハメになったんだ 」  

 

ホソカワ「 想像しただけでも ショボイ光景だあ~~ 」

 

蘭「 でも そんな状況でも 何故だかみんな

ワキアイアイで・・・ その日初めて会ったくせにさ 」

 

ホソカワ「 モリシマも スンナリと そのお仲間に

入れたのか~~? 」 

 

蘭「 まさかあ~~  とんでもないッ!

ボクは ただひたすら 早くバスの出発時刻に

ならないかな~ってことだけを考えてたさ~~

出合ってすぐにうちとけて 仲良くオシャベリする

なんてこと・・・ ボクにはできないなあ~~ 」

 

ホソカワ だよな~~  オレたち友達になったのも

大学に入学してから ずいぶんと経ってたもんな・・・

そのオマエが 初対面の男性の胸の中で泣くなんて

ホント 信じられねえ~~! 」

 

蘭「 ホソカワ! ついうっかりオマエに

喋っちゃったけど・・・ この話 他言したら 親友の

オマエでも 許さないからなッ!  ブッ・コ・ロ・ス! 」

 

ホソカワ「 い、言わないってばあ~~!

まだスカイツリーにも上ってないんだから も少し

生きていたいしなッ アハハ!

 

蘭「 で、やっとこさ バスの出発時間になって

熊本行きのバスに乗り込んで ふと窓の外を見たら

彼ら五人が横一列になって 僕に手を振ってたんだ 」

 

ホソカワ「 おっと、またもや ランくんにしてみれば

ウレシハズカシのシチュエーション!(笑) 」 

 

蘭「 ウレシカないって! ハズカシイだけ! 

口々に大声で 《また会おう~!》とか《頑張って~!》

とかなんとか・・・ 窓は全部閉まってても 車内までよ~く

聞こえてきて・・・ 周りの乗客はクスクス笑っているし・・・

あ! そういえば後姿の運転手さんの肩も 少し震えてたな 

きっと笑いをこらえてたんだ~~ 」 

 

ホソカワ「 すげ~~ オモロすぎる話だあ~~

で、それから?  それからどうなった? 」 

 

           第三回後編は コチラから どうぞ!