2012年11月25日

                   『AMAKUSAシーサイド広告社』

          これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた

          若者男女六人が力を合わせて 就職難の故郷で起業するために

          奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)

          彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る一人の女性も

          彼らと深く関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》

          この七人も 故郷天草の宝を見つけることができるかな?

                  

                第二回 「泣いちゃいました!」 

                              文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ)  

蘭「 あ、そろそろ バスの時間なんで・・・

僕 失礼します 」

 

シバタ「 おう、んじゃ 元気でな 若者~~! 」

 

ハシバ「 また どこかで 会いまひょな~♪ 」

 

キヨミユキコ「けっこう カワイイ子だよね~~ 」

 

広告社(第二回) 

「 はい、ランです  ・・・ え?  

取り壊しの日取りが 予定より早くなった?

 ああ・・・ 業者さんの都合ですか~~

はい、わかりました・・・

じゃあ・・・ よろしくお願いします  」 

 

織田「 どうした?  大丈夫か?  キミ

具合でも悪いんじゃないか?   顔色 悪いぞ・・・ 」

 

蘭「 あ、いえ・・・ 大丈夫です

何でもありませんから・・・ ホントに・・・

どうもありがとうございます  」

 

織田「 すれ違いざまに チラッと聞こえたんだが

何か取り壊す話のようだけど・・・

その様子だと もしかして・・・ キミの家のことかい?」

 

蘭( なんだか今日は 初対面の人たちに

いろいろ質問される日だよなあ~~? )

「 ええ でも普通の家じゃなくて・・・ その~~

ボクには持て余すシロモノなんです 」

 

織田「 そんなに豪邸なのか? 」 

 

蘭「 アハッ!  いえいえ 豪邸なんてとんでもない

天草の西海岸にある小さなペンションなんですよ

そこを経営していた僕の父が 一昨年に亡くなって・・・

三日前に 三回忌を済ませたところなんです

地元の親戚が いろいろとお膳立てしてくれたんで 僕は

ただ東京から戻って 法事に出席しただけって感じですけど

・・・ 三回忌を機に 父が遺したその建物の処分が決まって

たったいま 叔父さんから 取り壊しの日取りの連絡が

あったんです 」

 

織田「 父親が遺してくれたものなんだろう?

そのままにしておけないのかい? 」

 

蘭「 今 誰も住んでいない状態なんですけど

屋根とか外壁とか あちこち痛んでいて 管理するのも

たいへんだし・・・ ペンションの間取りなので 一般用の

住宅としては住みにくいし・・・ だからといって この不景気

では ペンションか何かを始めようという買い手もいそうも

ないし・・・ 結局は更地にして 住宅地として売りに出した

ほうが手っ取り早いみたいで・・・ アッ! あ、ああ~~! 」

 

織田「 どうしたッ!?  若いの!」

 

蘭「 いま すぐ横を 僕が乗るはずだったバスが

・・・ 通り過ぎていきましたあ~~! 」

 

織田「 あ、スマン スマン!

僕が 足止めさせたせいだよなあ~~  

あそこのタクシー乗り場に ちょうど一台停まってるな

タクシーを飛ばせば バスを追い抜ぬけるだろうから

次のバス停留場で そのバスに乗り換えるといい

これ タクシー代に・・・  」

 

蘭「 い、いえ そんなこと いいですよ~~!  

一時間待てば 次のバスに乗れますし・・・

東京に帰る飛行機は 夕方の便なんで

大丈夫ですから 気にしないでください  ホントに 」

 

織田「 じゃあ お詫びに キミの時間つぶしに

僕も付き合うよ 」

 

蘭「 ・・・?  なんだかずいぶん優しいんですね

タクシー代を払ってくれるとか 一時間もボクに付き合って

くれるとか・・・ 初対面なのに・・・ 」

 

織田「 あ、言っておくが 僕は決して怪しいもんじゃ

ないからね・・・ でもこれって ホントに怪しい人物が

いかにも言いそうなセリフだよな~~ 」

 

蘭「 アハハ・・・ハ・・・・ 」(グスン) 

 

織田「 ん!?  どうした・・・?

そんなに涙が出るほど 可笑しなジョークでもないゾ 」

 

蘭「 ほんとはね・・・ 父さんとの思い出が

いっぱいのペンションですもん・・・ 

取り壊したくなんかない・・・ それが本音なんです 」

 ( あれ!?  ボク 何を言ってるんだ・・・ )

 

織田「 んッ?・・・ ああ、よくわかるよ・・・ 」

 

蘭いつまでもそのままにしておくと 親戚の

みんなにも 迷惑がかかるって よくわかってるし・・・

更地にして住宅地にした土地が売れたら ボクの将来の

ための貯えにしなさいって・・・ いろいろ気を使ってくれて

いる伯父サンたちには 僕のホントの気持ちなんて

打ち明けられない・・・ 」

 

織田「 ・・・ そうか・・・ 」

 

蘭「 でも 取り壊す日取りが決まると・・・

やっぱり 寂しくなって・・・ 」

 

織田「 ・・・ ああ、そりゃあ 寂しいよな・・・ 」

 

蘭「 ええ、とっても・・・ 」 

( なんか ヘンだよなあ~~    伯父さんたちにも

言えなかったホントの気持ちを・・・

どこのだれかも知らない初対面の男のヒトに 何故

ベラベラと話してるんだろう・・・ )

 

織田「 キミ・・・ どうした? 

やっぱり 具合が悪いんじゃないのか? 」 

 

蘭( 見ず知らずのオッサンの胸を借りて

泣いてる自分自身が・・・ 信じられないよお~~ 

おまけに こんな路上で みっともないよな~~

でも 涙が止まらない・・・ クソ~~  何でだよ~~  )

 

およよ! 急展開の第二回!

ストーリーテラーのKも 途中で割り込むことが

できませんでした~~!(笑)

なんだか 妖しいシーンで終わっちゃいましたネ(爆)

あ、おことわりしておきますが 『シーサイド広告社』は

いま流行りのBL小説では ございません!

『四郎の館』では 下ネタとBLは ご法度です!

え?  BLって何・・・ って~~?

チッ! そこから説明せんといかんとかい!(笑) 

 

                    To Be Continued!

                                                                          

                                             *おことわり*

      地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが

      登場しますが これは あくまでフィクションです