『AMAKUSAシーサイド広告社』
これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた
若者男女六人が力を合わせて 就職難の故郷で起業するために
奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)
彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る一人の女性も
彼らと深く関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》
この七人も 故郷天草の宝を見つけることができるかな?
第二回 「泣いちゃいました!」
文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ)
「 あ、そろそろ バスの時間なんで・・・
僕 失礼します 」
「 おう、んじゃ 元気でな 若者~~! 」
「 また どこかで 会いまひょな~♪ 」
「けっこう カワイイ子だよね~~ 」
「 はい、ランです ・・・ え?
取り壊しの日取りが 予定より早くなった?
ああ・・・ 業者さんの都合ですか~~
はい、わかりました・・・
じゃあ・・・ よろしくお願いします 」
「 どうした? 大丈夫か? キミ
具合でも悪いんじゃないか? 顔色 悪いぞ・・・ 」
「 あ、いえ・・・ 大丈夫です
何でもありませんから・・・ ホントに・・・
どうもありがとうございます 」
「 すれ違いざまに チラッと聞こえたんだが
何か取り壊す話のようだけど・・・
その様子だと もしかして・・・ キミの家のことかい?」
( なんだか今日は 初対面の人たちに
いろいろ質問される日だよなあ~~? )
「 ええ でも普通の家じゃなくて・・・ その~~
ボクには持て余すシロモノなんです 」
「 そんなに豪邸なのか? 」
「 アハッ! いえいえ 豪邸なんてとんでもない
天草の西海岸にある小さなペンションなんですよ
そこを経営していた僕の父が 一昨年に亡くなって・・・
三日前に 三回忌を済ませたところなんです
地元の親戚が いろいろとお膳立てしてくれたんで 僕は
ただ東京から戻って 法事に出席しただけって感じですけど
・・・ 三回忌を機に 父が遺したその建物の処分が決まって
たったいま 叔父さんから 取り壊しの日取りの連絡が
あったんです 」
「 父親が遺してくれたものなんだろう?
そのままにしておけないのかい? 」
「 今 誰も住んでいない状態なんですけど
屋根とか外壁とか あちこち痛んでいて 管理するのも
たいへんだし・・・ ペンションの間取りなので 一般用の
住宅としては住みにくいし・・・ だからといって この不景気
では ペンションか何かを始めようという買い手もいそうも
ないし・・・ 結局は更地にして 住宅地として売りに出した
ほうが手っ取り早いみたいで・・・ アッ! あ、ああ~~! 」
「 どうしたッ!? 若いの!」
「 いま すぐ横を 僕が乗るはずだったバスが
・・・ 通り過ぎていきましたあ~~! 」
「 あ、スマン スマン!
僕が 足止めさせたせいだよなあ~~
あそこのタクシー乗り場に ちょうど一台停まってるな
タクシーを飛ばせば バスを追い抜ぬけるだろうから
次のバス停留場で そのバスに乗り換えるといい
これ タクシー代に・・・ 」
「 い、いえ そんなこと いいですよ~~!
一時間待てば 次のバスに乗れますし・・・
東京に帰る飛行機は 夕方の便なんで
大丈夫ですから 気にしないでください ホントに 」
「 じゃあ お詫びに キミの時間つぶしに
僕も付き合うよ 」
「 ・・・? なんだかずいぶん優しいんですね
タクシー代を払ってくれるとか 一時間もボクに付き合って
くれるとか・・・ 初対面なのに・・・ 」
「 あ、言っておくが 僕は決して怪しいもんじゃ
ないからね・・・ でもこれって ホントに怪しい人物が
いかにも言いそうなセリフだよな~~ 」
「 アハハ・・・ハ・・・・ 」(グスン)
「 ん!? どうした・・・?
そんなに涙が出るほど 可笑しなジョークでもないゾ 」
「 ほんとはね・・・ 父さんとの思い出が
いっぱいのペンションですもん・・・
取り壊したくなんかない・・・ それが本音なんです 」
( あれ!? ボク 何を言ってるんだ・・・ )
「 んッ?・・・ ああ、よくわかるよ・・・ 」
「 いつまでもそのままにしておくと 親戚の
みんなにも 迷惑がかかるって よくわかってるし・・・
更地にして住宅地にした土地が売れたら ボクの将来の
ための貯えにしなさいって・・・ いろいろ気を使ってくれて
いる伯父サンたちには 僕のホントの気持ちなんて
打ち明けられない・・・ 」
「 ・・・ そうか・・・ 」
「 でも 取り壊す日取りが決まると・・・
やっぱり 寂しくなって・・・ 」
「 ・・・ ああ、そりゃあ 寂しいよな・・・ 」
「 ええ、とっても・・・ 」
( なんか ヘンだよなあ~~ 伯父さんたちにも
言えなかったホントの気持ちを・・・
どこのだれかも知らない初対面の男のヒトに 何故
ベラベラと話してるんだろう・・・ )
「 キミ・・・ どうした?
やっぱり 具合が悪いんじゃないのか? 」
( 見ず知らずのオッサンの胸を借りて
泣いてる自分自身が・・・ 信じられないよお~~
おまけに こんな路上で みっともないよな~~
でも 涙が止まらない・・・ クソ~~ 何でだよ~~ )
およよ! 急展開の第二回!
ストーリーテラーのKも 途中で割り込むことが
できませんでした~~!(笑)
なんだか 妖しいシーンで終わっちゃいましたネ(爆)
あ、おことわりしておきますが 『シーサイド広告社』は
いま流行りのBL小説では ございません!
『四郎の館』では 下ネタとBLは ご法度です!
え? BLって何・・・ って~~?
チッ! そこから説明せんといかんとかい!(笑)
To Be Continued!
*おことわり*
地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが
登場しますが これは あくまでフィクションです