『銀天デパート物語』 第四話
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☆責任重大!☆
イラスト☆K(ケイ)
K(ケイ)です!
今 アタシは 五階建てのビルの最上階の事務室の
中にいま~す! ということはあ~~ そうなんですよ!
執事のキタ もとい ミナミさんの話は 本当だったんです!
商店街の入り口の 《天草宝島国際交流会館ポルト》 (長ッ!)
以下 《ポルト》と略すッ!
その 《ポルト》と道を挟んだすぐ隣に 彼が言ってたとおり
五階建てのビルが建っているではあ~りませんか(ビックリ!)
大きなシャッターが降りている表玄関の上には 《銀天デパート》
という看板が すでにとりつけられているし~~(ビックリ!)
シャッターは 建物の内部から スイッチひとつで開閉できるけど
当分の間は 開けられそうにもありませえ~ん
だってえ~ 現在 デパートの建物の中は スッカラカンですもん!
売るものが無ければ デパートじゃなかモン! くまモン!
え? アタシは いったいどこから 建物に侵入したのかって?
侵入・・・なんて失礼なッ!
ヒツジさん もとい シツジさんから預かっている鍵を使って
裏口の従業員専用出入り口から 正々堂々と入りましたわよ~
書類棚には 彼が言ってた 例の《デパート経営のマニュアル》
って本もあるけど・・・ なにしろ分厚くて 重たい!
字が細かい! 漢字が多い! 専門用語だらけ!
だいたいアタシらの年代って 家電製品の取り扱い説明書を
読むのさえ オックウなんだからさあ~~
それよりも アタシが気になってるのは 事務室の奥にある
金庫の中なんだけど・・・(笑)
キーホルダーには 金庫の鍵も下がっているし・・・
ちょっと見るだけ 見るだけだからねえ~ ♪
あれ!? 外見は大きいのに 中に入っているのは
カードが一枚(ゴールドカードか?)と 封筒が一枚だけ!?
封筒の中身は 何か書類のような・・・ 何々~~???
「 Kさんへ
貴方に 銀天デパート経営の全ての責任と権限を与えます。
失敗も含めて 全ては貴方に委ねられます。
当面 必要なものは カードで購入してください。
銀天デパートオーナー・X 」
X・・・ って~? YOSHIKIやろか? Toshiやろか?
などと 一昔前のジョークば言うとる場合じゃなかばい!
とにかく この文面 気に食わんなあ~~
お寿司を奢ってもらったのに あの執事さんには アタシ
自己紹介しないままで 別れたのよねえ~~
でもいきなり Kさんて・・・ とっくに個人情報が洩れとるやん!
どうやって アタシの情報入手したんやろ???
それに 失敗も含めて・・・っていうクダリ いかにも アタシが
なんか失敗しそうな前提だし~~
必要なものは カードで購入しろっていっても・・・
だいたい 何が必要なものかも イッチョンワカランしい~~
アタシ あんまし責任のある仕事するのって 苦手なのよねえ~
こりゃあ 君子危うきに近寄らず~~!
もいっちょ 触らぬ神に祟りなし~~!
カードと封筒は そっと金庫に戻して 鍵をかけてと・・・
こんなところ さっさと退散 退散!
まだエレベーターもエスカレーターも動いていない店内を
五階まで階段を登ったり降りたりするのって シンドイんだから
従業員専用出入り口の扉の鍵を閉めようとしていたら
突然 アタシに声をかけてきた人物が・・・!
「 あの~~ 面接会場って ここですか? 」
この七三わけの いかにも好青年・・・ 誰ッ!?
『銀天デパート物語』 第五話 面接試験!( に続くのか?)
*おことわり*
『銀天デパート物語』は 地元を舞台にしている性格上
実在の地名・施設・お店なども登場しますが
これはあくまでフィクションであることを ご了承下さい
*** Kの《銀デパ》おまけトーク ***
今日 ポルト付近に行ったけど そんな五階建てのビルなんて
建っていなかったゾ~・・・ ってですか?
そうそう 言い忘れておりました~~
執事さんが 別れ際に Kに言っていたことを・・・
「 《銀天デパート》の建物は 現在を一生懸命生きている人
将来に夢を持っている人だけにしか 見えないんですよ 」
ってね・・・(笑)
変だなあ~~ 人生を充分エンジョイしているアナタの目に
映らなかったなんて~~
え? 何ですか? そういえば 確か そんなビルが建って
いたかも・・・ ですって? ああ ちゃんと見えましたか~
そうそう! それでいいんですよ~~ ア・ナ・タ ♪(爆)