2012年2月19日
『銀天街物語』
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INTERVAL
文と絵☆K(ケイ)
ワタクシは 祇園橋の正面に見える祇園神社(八坂神社)の
境内の御神木として 本渡の町の人々に長い間親しまれて
いました《南蛮えのき》です
樹齢は三百年余りでしたが 今から十五年ほど前に
ワタクシの寿命は尽きました・・・
けれど ワタクシのように 樹齢三百年超える生命力を持つ
御神木は たとえ体は滅んでも 我が魂は永遠にこの場に
留まり 今でもこうして 町の人々を見守り続けております
ワタクシの眼下に広がる眺めは・・・
穏やかな流れの《町山口川》と そこに架かる荘厳な姿の
《祇園橋》・・・
この祇園橋の傍を 毎日の登下校時に必ず通りかかる十七才の
女の子の身に起きた一夏の不思議な物語の《ストーリーテラー》
いえ やはり 《語り部》というほうが ワタクシには似つかわしい
でしょうが・・・
これまでワタクシは 《銀天街物語》の《語り部》を ずっと務めて
まいりました
けれども ワタクシの出番は どうやらここまでのようで・・・
物語が進むにつれて 登場人物たちがそれぞれに 自らの
意思を持ち始めましたので・・・
これよりは 彼ら自らが《ストーリーテラー》となって
この不思議な物語の糸を紡いでいくことでしょう
次回は 物語の主人公と同級生の男の子が 物語の続きを
皆さんにお話します
どうか 彼の話を聞いてやっていただきたい
では ワタクシは これにて・・・
いずれまた お会いできる時が来るやも・・・
*おことわり*
地元小説の性格上 実在の地名・学校名・施設名などが
登場しますが これは あくまでフィクション小説です