上記の九州電力報道による最大供給電力値が 上記の発電端出力を合計した、 「火力+内燃力+原子力+水力」の値にほぼ一致しますので、 TVやTVに出演される大学の先生方は、この合計値を最大供給電力値と勘違いされて この他に他社受電があるはずで「隠し電力」といわれたりされています。 さらに該当電力会社の地域にある卸電気事業者の設備能力を合計した電力は すべてその地域の電力会社だけに販売されているものとして、 電力会社の原発を除いた設備能力に卸電気事業者の設備能力を加えたものと ピーク時の需要電力とを比較して、原発が無くても大丈夫といわれたりしています。 これは、おかしいように思いますので、次回でも触れようと思っています。 「全汽力発電所」を完全にフルロード(認可最大出力)で長期に継続運転をすることは、 ほとんどできないでしょう。 何か事故などがあったような場合、危険を乗り切るために数台の汽力発電所を 限られた時間フルロードで運転するとかは可能でしょう。 このようなものも人によっては「隠し電力」といわれるかもしれませんが、緊急対応の 発電電力は「隠し」というものではないでしょう。 というようなことで、この数値の中には、他社受電の汽力分も含まれていると考えた方が よいでしょう。 九州電力の「燃料別発電電力量の推移」には、汽力の中に他社分を含めて書かれていますし、 九州電力にて作成された下図においては、供給力1728万KWの中に、「他社受電」が 明確に入っています。 「他社受電」は、年間平均180万KW程度になっています。 他社受電分も「隠し電力だ」と言われている方もいらっしゃるようですので、他社受電分が 汽力合計の供給力の中に含まれているということは大事なことです。
運転の仕方としては、 原子力発電所は、負荷が変わってもランニングコストは変わりませんから、最大値で ベースロードとして運転を行います。原子力は定格熱出力一定運転という原子炉の 熱出力を定格値一定で運転することが一般的になってきていますので、フル運転をしています。 熱出力を一定にして運転するとほぼ最大出力で運転でき、冬場の海水温度が低いときは 許される範囲内で、定格値を超えて運転することも可能です。 原子力合計 : 263万KW 汽力発電所については、ランニングコストが安い石炭とその次に安いLNGはピーク時は できるだけ高負荷で運転することにし、一定負荷95%くらいで考えます。 重油・原油はランニングコストも高くなりますので、大幅な負荷調整用に使いますが、 負荷変動を吸収させるために、合計の85%くらいで運転することにします。 負荷調整の過程で、90%運転くらいになっても問題はありませんので、50万KW強程度の 余力は隠している訳ではありませんが、持っていると考えてもいいかと思います。 汽力合計(内燃力含む) : 1039万KW程度 水力合計 : 216万KW程度 他社受電 : 210万KW程度 |