「ふん!こいつは昔からちっとも変らん。すぐに調子づきおって!ブツブツ……」
「博士、そろそろ機嫌をなおすのであ~る。コーヒーなら我輩が淹れたであ~るよ。それと、出しそびれていたであるが、お土産の天草塩団子を一緒に食べるであ~る。」
「いつの間に!しかも勝手に!お土産出すのが遅い!……全く、ツッコミどころが多いところも相変わらずじゃのう。」
「お褒めにあずかり、光栄であ~る。」
「微塵も褒めておらん!もういいわい。話をもどそう。別れたあと、思っていたよりも早く集合がかけられたのを覚えておるが、二人とはどう出会ったのかのう?」
「あれは本当にタイミングが良かったとしか言いようがないのであ~る。」
~回想シーン~
「それでは、出航であ~る!」
「出航って、一体どこへ向かうんです?」
「うむ、ガルフィン号からこの船に戻ってくる途中に二人の船の特徴を教えてくれたであ~るな?」
「忠文さんが電車みたいな船で、rareさんが牛の絵が書いてある帆でした。どちらも特徴的だったからはっきり覚えてますよ。」
「もしかして、えび船長は二人の船を見たことあるんですか?」
「見たことはないであ~る。しかし、電車のような船と聞いて思うところがあったのであ~る。」
「どういうことですか?」
「カフェに行く前に聞いたのであるが、天草には電車が通っていないのであ~る。」
「確かに、三角までしか電車は来てないですね。」
「つまり船を入手したのは天草ではない所だと踏んだのであ~る。三角の造船所まで行って情報収集であ~る。」
「そういえば、どっちの船も二人の船出のときに見たのが初めてだった。あんなに派手な船だったら製作してるときに気付いても良さそうなのに。」
「そういうことであ~る。それでは改めて、三角港へ出航であ~る!」
------三角港------
「まさか同じ時に船の調子が悪くなるなんて運が悪いね。」
「そうですか?むしろ運が良かったと思いますけど。情報交換もできますし。」
「確かに、そう考えた方が前向きだね!それじゃあ、船を修理してもらってる間に、お互いの情報を整理しようか!」
「ぉ----ぃ!」
「聞き覚えがある声ですね。」
忠「あ、あそこだ。」
EBI's一同「おーーーーーい!」
「みんな!どうしてここに居るの?」
「それは我輩が説明するのであ~る。」
…………。
「なるほど、そういうことでしたか!」
「やっぱり、運が良かったんですよ。」
「お二人もえび船長の船で一緒に行きましょうよ!」
「う~ん。この旅で乗っていた船にも愛着があるからね。」
「船は手放さなくても良いのであ~る。手分けして探した方が効率的であるからな。」
「え?それじゃあ今までと変わらないじゃないですか。」
「これからは、きちんと連絡をとりあえば良いのであ~る。アライアンスといったところであ~るな。毎週指令を送るから、報告するのであ~る。」
「それなら大丈夫ですね!」
「そうだ!ガルフィン号にも同じ指令を送る事にしよう。そうと決まれば、二人が見つかったという報告も兼ねて、ガルフィン号を呼ぶのであ~る!」
「そうだ!って、今思いついたんですか……。」
「やかましいのであ~る!もちろんEBI'sも報告するのであ~る!」
~回想終わり~
「なるほどのう。そういうことじゃったか。おぬしの指令もそのときに生まれたんじゃな。そしてあとはわしも知ってる通り……というわけじゃな。」
「その通りであ~る。一年間共に航海した後、我輩は船を降りたのであ~る。」
「しかし、どうして船を降りるなどと言い出したのじゃ?それに、おぬしが最後に言い渡した指令、いや、試練というべきか。あれの真意も聞いてみたかったのじゃ。」
「その話の前にコーヒーを……。」
「今さらもったいぶった真似はよすのじゃ。長くなって構わんから話すのじゃ。」
「……で、あ~るな。実は船を降りる一週間ほど前、指令の報告書とは別にこの報告書を受け取っていたのであ~る。」
うちわEBI's号報告書 ガルフィン号報告書
「これは……!自主的に作ったものかの?……なるほどのう。おぬしは宝がなんなのかに気付いたんじゃな?」
「全く、博士には本当に敵わないであ~るな。その通りであ~る。我輩は今までたくさんの冒険をしてきたであるが、どの冒険にも何かしらの形あるお宝を見つけることができたであ~る。」
「タイムカプセルなんかもそうじゃったのう。」
「しかし、あの冒険で手にした宝は形が無いものだったのであ~る。まさか、『天草での体験』が彼らにとって至高の宝となっているとは思わなかったであ~る。」
「そういう意味で、宝は見つかったし、まだまだ宝は埋まっているというわけじゃな。」
「EBI'sはカフェ時代の活動からも宝を見出していたであ~るが、ガルフィン号の冒険はまだ始まったばかりだったであるからな。」
「しかしあの時の彼らは、冒険を託すにはちょっとばかりが頼りなかったんじゃな?」
「体験から学ぶにも、その体験を表現するにも少し、であ~るな。だから『しばらく航海を休んで、勉強する』という指令を最後に送ったのであ~る。もちろん、説明の上であ~る。」
「じゃから、おぬしが船を降りるとき、彼らはやけに聞きわけが良かったんじゃな。」
「その通りであ~る。 さて、次は博士の番であ~るよ。」
「何の話じゃ?」
「その後ガルフィン号がどうなったかであ~る。今日はそれを聞きに来たのもあるのであ~る。」
「分かった。その前に、じゃ。おぬしちょっとひとっ跳ねしてカフェまで行ってきてくれぬかのう?」
「?どうしてであ~る?」
「彼らの話までするとなると、また長くなるからのう。コーヒー豆を買ってきておくれ。それから、おぬしが話していた『さくらえびパフェ』も食べてみたいでの。」
「ふぉっふぉっふぉ~。そういうことならお安いご用なのであ~る。」
fin.
以上で、海老伝を終了いたします。また、3年間お世話になりました「うちわEBI's」の活動も終了させていただきます。本当に天草の方々にはお世話になりました。
なお、ガルフィン号からも今後に関するお知らせがありますので
こちら ←CLICK!! をご覧ください。
それでは、本当にありがとうございました。