235ps、直噴ターボの魅力は...

Giulietta Quadrifoglio
熊本市のデパートで展覧会を開催中だったK画から古代ローマの上流階級のライフスタイルについてのお話をうかがったのはアルファロメオ・ジュリエッタ試乗の翌日でした。

 

フランス人が「粋」をその工業製品に反映させる民族だとすればイタリア人は「情熱」をそこに盛り込む民族なんだと各々のクルマに乗る度に思いますね。ドイツ車の「質実剛健」さ、アメリカ車の「大らか」さなどは使い古された表現ですが、やはりそれを求める故に外車のたしなみがあるのです。

 

これまでアルファロメオはドライバーの右足をエキサイトさせる、そんな魔力を持ってました。もっとアクセルを踏んでくれとエンジンが要求するんです。そして吸い込まれるようにペダルを踏み込むと官能的なフル加速が始まる。その快感はドライバーだけの密やかな愉しみというか、隣のパッセンジャーには理解されないかも知れませんが。もっとも今日のアルファは内装の質感やデザインが更に洗練されてデートカーとしてもお奨めの存在になっています。むしろファッションアイテムとして購入なさるお客さんが多いでしょう。またATモデルのシェアが増えているでしょうが今回はMT(右ハンドル)で試乗して来ました。

 

Giulietta Quadrifoglio Verdeです。アルファロメオをダイレクトに感じるにはやはりマニュアルでないと。3名乗車で市街地走行での試乗でしたが1750ccのエンジンはストレスなく加速します。日頃日本車にばかり乗ってる人も違和感を感じないフレキシブルな走りです。そこでドライビングモードの切り替えスイッチ”D.N.A.”を「ダイナミック」にしてアクセルを踏み込みます。これは直噴ターボ・モデルですがラグの少ない加速感はNAのアルファを転がし慣れた御仁も納得するレスポンス、この回り方は「アルファそのもの」です。細かいことを上げればかつてのNAの美味なモデルとの違いを書きならべることになるのでしょうが、アルファ方程式通りのしなやかな足回りと6.12Kg/psというブレラ3.2JTS(6.75Kg/ps)を超えるパワー/ウエイト・レシオは乗って楽しくないはずがありません。

 

225/40R18のタイヤは7.5Jのクアドリフォリオ専用ホイールに装着され、やや路面のわだちを拾う感触がありますが古典派スポーツ的なハンドリングを呈するところもアルファロメオの個性です。BOSE Sound Systemも装備しての価格は消費税込¥3,880,000。ライバルはVW Golf-GTI(¥3,680,000Quadrifoglioより20万円安。Golf-R500万円突破してしまうので別格)なんでしょうけど小生ならGiulietta QuadrifoglioMT、それも左ハンドルを選びたいですね。右ハンドルしか経験の無い方も機会があれば一度臆せず試乗して右ハンドル仕様と何が違うか確認して下さい。

 

Golf-GTIだとMTモデルが選べません。BMW3シリーズ・セダンですら日本市場にMTを投入してきたんですから、もっと日本市場への各社のMT投入を望むところです。

 

因みに今回の試乗ではアルファロメオ熊本さんに御世話になりました。

 

 

 

2012年11月23日更新