シトロエンC5 ツアラーExclusive

citroenC5

 先に試乗したC3はオーソドックスなサス機構でしたがこのC5はシトロエン伝統のハイドロニューマチック・サスの進化形「ハイドラクティブⅢ」を搭載しています。C6が輸入されなくなってシトロエンのハイドロニューマチック搭載モデルはこのC5だけになってしまいました。ソフトなのに車酔いしない独創のサス機構は妊婦さんの移動に最適なんていわれてきました。最新のC5の乗り心地はさすがに21世紀のクルマだけにしっかりとした剛性を備え、それでいて路面からの突き上げ感のない上質なものです。最近は他のサスペンション機構でもかなり良い乗り心地を実現出来るようになりましたが、やはりハイドラクティブは更なるフラット感を呈します。長旅に出たくなること間違いなしです。

 

シトロエンとしてはオーソドックスな外観・内装のC5ですがステアリング・ホイールの真ん中に固定式のスイッチパネルがあってホイールだけがその外周を回る機構はかつてのショーモデル「マセラティ・ブーメラン」を想起させます。そういやシトロエンとマセラティの提携関係から生まれたCitoren-SMという名車がありましたね。マセラティのV6エンジンを積んだ高級クーペでサスはやはりハイドロニューマチックでした。ためしにネットで中古車検索かけてみたんですが一台も在庫なしでしたね(苦笑)一度は乗ってみたいクルマの一つですね。

C5にも以前は3.0L-V6エンジン搭載モデル(210ps)がありましたが現在は1.6L4気筒ターボ・エンジン(156ps)のみです。走らせてみて特に出力不足は感じなかったのですが、アイドリング中のエンジン振動がキャビンにまで伝わってくるのはこのクラスとしては「?」でした。世界的な「エコ化」の波により自動車のエンジンも小排気量化が進んでいます。省燃費追求とコスト削減のあまりエンジン・バリエーションが狭くなってはクルマの楽しさが目減りしますね。日本の二輪車にもそうした傾向がみられますが、それは勘弁して欲しいです。

 

ところでちょうど当店に入庫してる’98年式BMW528i-Touring(在庫車情報についてはUsedCar Infoを参照下さい)が寸法・重量の上でC5 ツアラー Exclusiveと近い存在です。ただし528i-Touringに搭載されるのは2.8L-193psの直6ですから比較するなら以前のV6を搭載したC5だろうってことになるかとは思いますが、恐らくユーザーになればどちらもほぼ同じ使い方になることは必至。528i-Touringの新車当時の価格はおよそ600万円台後半ですが、今回試乗したC5ツアラーExclusive400万円台後半というリーズナブルさです。大排気量にものをいわせたパワー・クルージングよりものんびりした寄り道旅行が主体なら小生は間違いなくC5ツアラーを選ぶでしょうね。

 

因みにこのC5もシトロエン福岡さんで試乗してきました。

 

2012年10月22日更新