歌舞伎の世界は姻戚関係が深く拘わっていて殆どが世襲となっています。一般に歌舞伎役者になりたい人は、養成所に入ったり研修所を終了したり、養子縁組をしたり、部屋子となったりします。私が歌舞伎に親しんだ60年以上前には七代目松本幸四郎の長男・十一代目市川團十郎、(海老蔵の祖父)二男・初代松本白鸚(八代目幸四郎)今の幸四郎・吉右衛門兄弟の父、三男・尾上松緑の三兄弟が全盛でした。長い長い歴史を経てDNAを受け継ぎ、後世に伝え今にいたっています、凄いです。幸四郎さんには染五郎さん、孫の金太郎さんがいます。今の吉右衛門は初代吉右衛門の娘・正子さんを奥さんにして、初代の後を継いで二代目吉右衛門を襲名しました。又、吉右衛門には息子がいなくて娘ばかりで菊之助に嫁いだ四女の瓔子さんの長男が今回初お目見得した和史ちゃんなので、この子は音羽屋の跡継ぎ、二男が生まれたならば、吉右衛門の名跡を継ぐべく高麗屋に養子に入るかも知れませんね、当然そいうことも視野に入れていると思いますので、歌舞伎役者の奥さんも大変ですね!先代の松緑は体格もたっぷりとしていて立派でした。今の四代目松緑の長男は藤間大河でしたが、去年右近を襲名してこちらの音羽屋も安泰です。先輩を小父さん、兄さんの誰誰と呼び特殊な世界ですが、その歴史や仕来たり、礼儀作法、所作事、膨大なせりふ、歌舞音曲、どれ一つとっても資質と努力が求められ、華麗な苛酷な世界であると思います、又、役者さんの出演料は門外不出だそう一切分かりません。たまには気持ち悪い女形もいますが、綺麗で舞台でも女に負けない女らしさを表現する役者さんには感心致します。

團菊祭五月大歌舞伎-2
2016年05月07日更新