4月の歌舞伎座は2日初日、昼の部、①松寿操り三番叟(まつのことぶきあやつりさんばそう)②不知火検校(しらぬいけんぎょう)③身替座禅(みがわりざぜん)の三演目です。①の三番叟は染五郎が操られる人形になって糸が切れたり絡まったり上手に踊りました。②の不知火検校は松本幸四郎さん、盲目で生まれた富之助(後の不知火検校)は幼い時から按摩の修業を始めましたが、数々の悪事を働き、ついには恩を受けた初代検校を殺害して二代目検校の座に付きますがついには縄目にかかり破滅するのです。宇野信夫作、松本幸四郎さんがとても良かったと思います。第二幕暗転の舞台にぽっかり照明があてられて、三味線を片手に不知火検校が歌い始めた曲が、以前に「天草三曲会」の先生に稽古をつけていただいた「黒髪」という曲でしたので吃驚しました。「黒髪の 結ぼれたる 想いをば 解けて ねた夜の 枕こそ 一人ぬる夜のあだ枕 」と最後の「積もると しらで 積もる白雪」の部分だけでしたが、思いがけない場面でした。役者さんはなんでも出来なくては務まらないのですね。③は片岡仁左衛門さん、とても粋で綺麗でした。座席も三列一八番、花道にも適当な距離があって舞台にも近く見やすいお席でした。5月は恒例の「団菊祭」、九代目の団十郎さんと五代目の菊五郎さんの功績をたたえる興業です、私が高校生の時歌舞伎ファンの親友に連れて行ってもらったのが初めてで「団菊祭」は懐かしいです。菊之助さんの二歳の息子さんの初お目見えもあるそうですので、是非観に行こうと思います。

4月の歌舞伎-5
2016年04月03日更新