「あめあめ ふれふれ かあさんが 

じゃのめで おむかえ うれしいな ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン」

毎日鬱陶しい雨です。時として災害を招く事もあって油断は出来ませんが、雨は日本の緑を守り、飲み水となり生命の起源でもあります。この歌を作詞した北原白秋の故郷である福岡・柳川は市内を縦横に水路が流れる美しい街で、白秋はその柳川沿いの造り酒屋の長男に生まれ、土地の習わしで乳母に育てられましたが幼くして乳母が亡くなりましたが、白秋は終生その乳母を忘れることなく、母でもある乳母が蛇の目傘をさして迎えに来てくれるであろう期待と、センチメンタルな母思慕の想いがこの「あめふり」の歌になったと思います。

雨も人それぞれ、哀しい雨、楽しい雨、私にも思いがあります。主人が亡くなって病院から家に連れて帰る時、曇り空から雨がパラパラと降ってきました。義父の葬儀の日も激しい雨でした。母も雨の日でした。涙の雨は、しっとりと胸の奥に沁み入って私の心を潤してくれるような気がします。

2015年07月06日更新