篠田桃紅・1913年(大正2年)生まれ、東京都在住。墨を用いた抽象表現主義者として、世界的に広く知られており、数えで103歳となった今も第一線で制作している。と著者紹介に記されていました。若いころ、常に和服姿ですらっとお綺麗で又薄墨を使っての書が流麗な文字で、憧れの書家でありました。新聞の広告に、今なお元気でお暮らしとのこと、びっくりしました。「103歳になってわかったこと」副題は「人生は一人でも面白い」とありました。独身をとうされ世界各国で称賛され、美術館や公共施設に数多くその作品が収蔵されています。その篠田桃紅さんが103歳になられてどのように生き、感じていられるのか、すぐ書店に走りました。表紙に一枚の今の桃紅さん、とてもお綺麗です。

自らを由とする自由に、100歳はこの世の治外法権、頼らずに自分の目で見る、なにかに夢中になる、人生を枠に納めない、生かしていただいている、自分が立ちうる場所に感謝する、などなど着物の文化、日本の文化が末端から途絶えている、と嘆いています。優れた才能をお持ちの方だから特殊な半生を過ごされたのでしょう。

昔に目にした文字の数々、そして今はどのような作品を手がけられていらっしゃるのやら、本には掲載がないのがとても残念です。いくつになっても、やっておきたいことはどんどんやる、行きたいと思ったら行って人生を楽しまなければ後悔します。そして、精力的に生きて人生を謳歌した与謝野晶子の歌を紹介しています。 「人の世を 楽しむことに  我が力  少し足らずと  嘆かるるかな」


篠田桃紅さん・103歳-3



2015年04月15日更新