先月の「仏像の種類と特徴」に続き、今月は「仏像の造像技法」が浄土宗新聞に掲載されました。

仏像は様々な材質や造像技法で造られていますが、それらは時代と共に変遷してきました。今月は代表的な技法とそれぞれの名作について紹介されています。

★金銅仏(こんどうぶつ)・・・法隆寺本尊の釈迦三尊像・・粘土で形成した型に溶解した銅を流し込み、冷えたら型から取り出し金メッキを施します。飛鳥、白鳳時代の仏像です。★乾漆像(かんしつう)・・・唐招提寺の毘盧遮那仏・・角材で骨組みを作り、これに粘土を盛り上げてその上に麻布を貼って乾かしさらに漆を塗って乾かす、という作業を十数回繰り返し、漆が乾いたら中の粘土を取り除き、漆と細かい木屑を混ぜた液体を塗って彩色を施します。★塑像(そぞう)・・・奈良・當麻寺の弥勒仏坐像・・木型を組みその上に藁などを巻きつけて、粘土を塗って形を造り彩色を施して仕上げます。★一木造(いちぼくずくり)・・・法隆寺夢殿の救世観音菩薩立像や百済観音の名で親しまれている聖観音菩薩立像等が代表作です・・文字どうり一本の木から掘り出した仏像です。頭のてっぺんから台座、装身具までを完全に一本の木から掘り出したものもありますが、宝冠や装身具、手や足さきなどは別材で造った物が多いです。★寄木造(よせぎづくり)・・・宇治平等院の阿弥陀如来座像・・胴体や手足をいくつかに分けて造り、それらを接合して漆を塗り、その上から金箔を貼って仕上げます。内部は空洞になっていて、この技法によって分業が可能になり木材の調達や大きな像の造立も容易になりました。写真は最古の塑像作品、奈良・當麻寺蔵の弥勒仏坐像(国宝)です。

仏像を拝観する機会があったら、ほんの少しの知識で見方も変わってくるのではないかと思います。

 

 

仏像

2015年03月10日更新