歌舞伎座・3月興行は、松竹創業百二十周年を祝って、通し狂言「菅原伝授手習鑑・すがわらでんじゅてならいかがみ」」です。昼、夜、同じ題材で序幕から六幕目の終演迄を通しで演じます。私は今日は昼の部、序幕から三幕目「道明寺」までを観ました。学問の神様として多くの人々に慕われている菅原道真公の悲運を柱にした物語で片岡仁左衛門が絶妙の演技を見せてくれました。今日の座席は2列8番、前から二番目で花道から二つ目の席です。いよいよ菅丞相が大宰府に旅立つ為花道の七三で立ち止まり、別れを惜しむ場面では本当に涙が溢れているのをはっきり見ました。そして、白塗りした顔から汗が流れおちるのが手に取るように分かりました。私も思わず貰い泣きしました。片岡仁左衛門は、この興行を行う度に、福岡県太宰府の大宰府天満宮を訪れ、道真公を慕って都から一夜で飛んできたと伝えられる御神木「飛梅」に「身も心も捧げる」と思いを込めて「捧心」と書いた絵馬を掛けるのだそうです。近くで視る役者さんの表情や衣裳の見事さ、ますます歌舞伎のファンになります。二幕目の(菅原館門外の場)では大道具の門構え等吃驚するほど立派でした。明後日には天草へ出掛けますので、夜の部を観ることが出来ず残念です。

 

歌舞伎座・3月興行-3

 

 

 

2015年03月05日更新