和田さんと積る話は尽きません。和田さんの書棚にあった本を数冊、おかりして読んでいます。私が知りたかった事、満載です。中でも当時朝日新聞論説委員・橋爪竹一郎著「思老期からの出発」副題として(甑島に開く、ついのすみか)があります、思老期とは(老いを感じる時期)とでもいうのでしょうか?この本は著者が現役時代に老人問題に関心を寄せ、題材を探し歩いているうちに上野博正さんからのお話で甑島に移住する和田さんを訪ねたことから、この本が書かれました。これらの本は世界でたった一冊、彼女の書棚にひっそりと眠っています。親や三人の姉達のすべて家族を見送った後、(本当の自分の人生)を求めて移住した和田さんの半生を余すところなく書きつづられています。他にも「思想の科学」という鶴見俊輔氏の50年続いた雑誌、「鶴見俊輔伝」、上野博正さんの「新にせ医者繁盛記」、和田さんが朝日新聞歌壇に投稿、採用され掲載された短歌・俳句の覚書など拝借しています。和田さんと上野博正さん、鶴見俊輔氏、「思想の科学」との出会い、朝日新聞の橋爪竹一郎氏、その他、甑島や沖縄の人々と織りなす感動のあれこれ、この本が刊行されてから早30年も経っています。甑島で12年、その後沖縄に住まいを移して20年、なんの本にも書かれず、報道もされない和田さんの日々が今、沖縄本島最北端太平洋側やんばるの森・国頭村安田(くにがみそんあだ)で穏やかに粛々と継続されています。

関連書籍・いろいろ
2023年05月15日更新