歌舞伎座が新装なって初めて迎えるお正月です。「寿初春大歌舞伎」と銘打って賑々しく開演となりました。私は、夜の部「仮名手本忠臣蔵・九段目・山科閑居」がお目当てでした。吉右衛門の大星由良之助、坂田藤十郎の戸無瀬、松本幸四郎の加古川本蔵、梅玉の大星力弥、許婚の小浪には中村扇雀、藤十郎と扇雀親子が舞台の上でも母と娘を演じます。忠臣蔵にまつわる義理・人情・親子の情と恋人同士の愛の葛藤、いろいろな要素が集約されて何時見ても見応えのある演目です。他に「乗合船恵方満歳」と、平成22年に亡くなった井上ひさしの同名の小説を基に、新しい歌舞伎の世話物の作品として上演された「東慶寺花だより」は、歌舞伎の次代を担う若い人たちの出番でした。夜、遅くなっても銀座の人波は絶えず寒さもほどほど、あれもこれも楽しい一日でした。

 

寿初春大歌舞伎-4

 

2014年01月08日更新