第1部最後の演目は 「一の谷ふたば軍記・熊谷陣屋」、熊谷次郎直実・中村吉右衛門、妻相模・坂東玉三郎、九郎判官義経・片岡仁左衛門、新婚の尾上菊之助さんも綺麗な女形姿で出演しました。

何んといっても、吉右衛門の熊谷直実が、16歳の平敦盛の身代わりに同じ年のわが子小次郎の首をとって敦盛を助け、義経の許しを受けて、鎧を脱ぎ棄て僧侶の身となり世の無常と悲哀を感じ涙する名場面です。花道で、皆が見送る中 「過ぎ去った16年の月日は夢であった 夢であった」と静かに立ち去る吉右衛門の熱演に惜しみない拍手が送られました。わが子を失った母役、玉三郎さんも美しく最高の演技でした。

 

歌舞伎座杮葺落し-2-3

 

2013年04月11日更新