平成九年1月31日、主人はたった3ヶ月の闘病で旅立ちました。肝臓癌はもうすでに末期の状態で10日間の検査を終えて家に帰されました。最後の五日間は、川崎市立井田病院に入院させて頂き、広い病室に二人きり、私は子守唄を唄ったりして静かに過ごしました。臨終を看取って下さった宮森先生もそっと席を外されて二人にして下さいました。夕刻、病院を後にする時旅立ちを悼んで呉れるかのように、雨がパラパラと落ちてきました。

あれからはや16年、長き年月が流れようと哀しみは薄れることなく、昨日の事のように胸が悼みます。私が毎日偲び続けるように、主人も私を見守っていてくれます。

ご住職の読経の響き、灯火揺らぎ、お香の薫り漂い、義父と優しかった義母への思い、3月10日東京大空襲で5歳の幼さで無くなった末弟、良三ちゃんを偲び、厳粛な一日を過ごしました。

 

17回忌-1

 

2013年01月31日更新