令和5年の大晦日を迎えました。お天気は下り坂、、とは言え雨は降っていません、寒気も少し緩んで午後からのお買い物も助かりました。この日いつも思い出すのは樋口一葉の短編「大つごもり」です。今の東京都台東区や文京区に所縁深く、又24才の若さで結核で亡くなった事、私が育った上野にもほど近く昔から親近感を持って作品を読みました。「つごもり」は(月が隠れる日)すなわち(月隠)でつごもり、毎月の末日で12月31日が大つごもりです。この日、年越しできぬ伯父の為に、主家から2円の金銭を盗む主人公お峰の心の動揺を描くやるせない物語です。 「井戸は車にて綱の長さ12尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゅうひゅうと吹き抜きの寒さ、おゝ耐えがたと竈のまえに・・・・」明治初期の奉公先の佇まい、哀れを誘う忘れがたいお話です。令和6年の上半期には、現在の5,000円札の樋口一葉が津田梅子の肖像に替わるそうです。津田梅子と言えば、高校の時の英語の君塚先生、ちょっと蟹股で歩くのですが、声が綺麗で英語の発音が素晴らしい、私はこの先生に憧れて絶対に津田塾大学に入る‼って決めました。君塚先生は途中で退職されてアメリカに渡り、その後の様子は分かりません。でも3年の時検診で肺浸潤と言われ、半年間の休学で養生しました。担任の野原先生に受験は駄目、といわれて受ける事が出来ませんでした。あの時津田塾に入っていたら私の人生はどんなことになったでしょう?遠い遠い夢のような思い出に耽った大つごもりです。
お目まだるい拙い文章をお読みくださった皆様、今年も有り難うございました、何はなくとも無事に過ごせたことは何よりの幸せと改めて感謝の想いを抱きます。新しい年が戦争のない、平穏な日々でありますよう、皆様にとりまして佳い一年でありますよう心から祈念致します。又、私共にも変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますようお願いいたします。(人''▽`)ありがとう☆ございました。

「大つごもり」
2023年12月31日更新