道行けば、柿の木に実がたわわです。葉を落として枝は青空に広がっています。そんな風景を見ながら、白洲正子さんの随筆に思いを巡らせました。柿の木にポツンと一つ実が残っているのを「木まもり」という、と書いてありました。秋の青い空にある朱色に心惹かれたのだと思います。「それは、自然に対する一種の礼節とも思えるし・・・実も葉もふるい落としたあとはさぞかし淋しかろうと、想像した人間の優しい思いやりのようにも見える」そして、「来年はもっと実ってほしいというおまじないかも・」と書きつつ正子流の生き方を垣間見た思いがしています。この夏は暑く、秋が短くなる気がしています。季節を彩てくれる恵みの柿を見て、食べて、堪能したいと思います!

柿


2019年10月24日更新