私の二番目の姉は、高校を市ヶ谷の「千代田女学園」に通いました。器用な姉は「ドレスメーカー」の師範科を卒業、望まれて千葉県船橋の呉服屋の長男に嫁ぎました。今88歳、川崎の施設に入所しています。「千代田女学園」は浄土真宗系の学校でこの「御仏に抱かれて」を歌っていました。昭和62年(1987年)母が亡くなったのは2月15日、この姉の家で家政婦さんも気が付かないでいるうちに亡くなっていました。83歳でした。葬儀は氷雨降る中、浅草の妙音寺で執り行われ、私達はこの「御仏に抱かれて」を歌って母の棺を見送りました。昭和13年私が3歳の時父が亡くなって、49年目、父の50回忌をしましょう、と話していたところでした。あれから33年の長い月日が流れ去りましたが、母の面影はより鮮明に私の脳裏に刻み込まれています。母や父、兄と姉、そして愛しき主人も、御仏に抱かれて美しき御仏となって尽きせざる楽しみに微笑んでいます!

「御仏に抱かれて」
   ① 御仏に 抱かれて 君逝きぬ西の岸 懐かしき俤も 消え果てし悲しさよ
   ② 御仏に 抱かれて 君逝きぬ慈悲の国 み救いを身にかけて 示します畏さよ
   ③ 御仏に 抱かれて 君逝きぬ花の里 尽きせざる楽しみに 笑み給う嬉しさよ
   ④ 御仏に 抱かれて 君逝きぬ珠の家 美しき御仏となりましし 尊さよ  以上

行燈に絵を描く-1


2020年06月17日更新