七十二候だより いのちの暦 [第67回]

第三十五候 大暑 次候
土潤溽暑 つちうるおうてむしあつし

第三十六候 大暑 末候
大雨時行 たいうときどきにふる

第三十七候 立秋 初候
涼風至 すずかぜいたる

第三十八候 立秋 次候
寒蝉鳴 ひぐらしなく

この1カ月。

こんなに七十二候が並んでしまって
お恥ずかしい次第です。
暑さのせいか、年のせいか、これが力か、
理由はともかく、ここしばらくは、ふうふう言っていました。

8月8日は立秋でした。
この日から立冬の前日までが、暦に上では秋です。

梅雨が明けて夏本番の始まりが、二十四節気の小暑で、
この時は「温風至」だったのが、
大暑では「土潤溽暑」となり
立秋となって「涼風至」となっています。

この間、1か月。
現実は、とても「涼風至」とはいきませんが、
それでも、立秋前から、まず朝に、ほんのわずか
気温が下がっているのが感じられました。

今年の暑さほど「土潤溽暑」の文字が
ぴったりの暑さはありませんね。
強い日差しに地面の熱が引くことがないので、
少々風が吹いても熱風となり却って熱気に包まれます。



夕方になっても夜になっても地面の熱が下がらないから
朝になっても“ひんやり”どころか、昨日の暑さに
今日の暑さが重なって、毎日どんどん暑さが重なっていきます。

下がる気温の力が弱いのか、地面の熱が強いのか。
地面とは、都会に限らず行き届いたアスファルトの地面のためか、
その下の活火山の力か。この暑さは、どのように収まって
いくのかなどと思っていたら、それでも秋風らしくなり
さわやかさとは遠いものの季節は巡るようで、
ほっとひと段落、ですね。

暑いさなかの8月6日の、広島。
平和記念日に世界から100もの国の
参加があったとニュースで知りました。

いらしてくださった国々の方と
お迎えになった方たち。
ともに暑い中での行いに、頭を下げるだけでした。

そして、長崎、8月15日へ。
この時期は大きな自然の巡りと
戦争からの巡りのときが重なります。

昭和25年生まれの私にとって、
戦後の貧しさの、その空気はわかっても
戦争というものの実感はありません。
少しずつ豊かになっていく、
戦争のあとかたがあれこれと消えていく
そういう時代に育ったのだと思います。



戦争については、
子どものころには両親や年の離れた姉兄から、
大人になるにつれ本や映画で多少、知ってきました。

今年も何本かの“戦争映画”が封切られていますが、
私が見たのは、ドイツ映画の「あの日のように抱きしめて」。
「東ベルリンから来た女」の監督、主演女優・男優ですよ、と
ナチスをめぐる映画です、と
すすめられ観ることになりました。

顔に大けがをしながらも、
アウシュビッツから奇跡的に生還した女性が
顔の再建手術を受けるところから映画は始まります。

検問を通って病院へと向かう、
その始まりから画面は緊張感に満ち、静かな迫力です。

その主人公が、行方のわからなかった夫を探し当て、
けれども夫は妻とは気づかない(考えられない)どころか、
妻の遺産を山分けしようと持ちかけます。
果たして夫は妻を裏切りナチスに彼女を差し出したのか。

どのような人がどのように戦争に巻き込まれていったか、
海外の映画には仔細に表現されたものが少なくありません。
その上で、いかに生きようとしたか。

映画は、過酷な運命を経ながら、
虚無を抱えて生きる人間の姿を示して
時を超えて伝わるものがあります。

観たばかりの映画について語るのは
難しいですね。
「おもしろかった」、「よかった」から
考える時間が必要です。
映像から得たものを言葉にしなければなりませんから。
ひとまず、また、おつきあいください。


片寄斗史子

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2015年08月18日更新