11月に県で4例目、天草地域で2例目となる重症熱性血小板症候群(SFTS)の発生がありました。ダニ媒介性疾患である日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニに刺されたことにより発症しますが、マダニは、衣類や寝具に発生するヒョウダニなどの家庭内に生息するダニと異なり、主に森林や草地に生息、全国的に分布しています。

ダニ1 ダニ2 わき

 

■日本紅斑熱

 主な症状:発熱、発疹、刺し口が主要三徴候で、発疹は体幹部より四肢末端部に

            比較的強く出現。他に倦怠感、頭痛など。

 治療方法:抗菌薬の投与

 感染経路:マダニによる刺傷

 潜伏期間:2~8日

 日本紅斑熱診断と治療の手引き(pdf):上天草総合病院 和田正文医師 提供

 

■つつが虫病

 主な症状:39度以上の高熱、刺し口。発疹は体幹部を中心に見られる。

            他に倦怠感、頭痛など。

 治療方法:抗菌薬の投与

 感染経路:ツツガムシによる刺傷

 潜伏期間:5~14日

 

■重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 主な症状:発熱、倦怠感、消化器症状、リンパ節腫脹致死率6~30%

 治療方法:対症療法、有効なワクチンなし

 感染経路:マダニによる刺傷

          (※感染患者の血液・体液との接触感染も報告されている。)

 潜伏期間:6日~2週間

 ※SFTSは、平成23年に初めて特定された新しいウイルス(SFTSウイル

    ス)に感染することによって引き起こされる病気です。

 

■ダニ媒介性疾患の予防対策

ダニ媒介性疾患の感染予防対策としては、ダニに刺されないようにすることが重要であり、以下の点に注意して下さい。

    森林や草地などマダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴などを着用し、肌の露出を少なくすること。

    屋外活動後はマダニに刺されていないか確認すること。

    吸血中のマダニに気がついた際は、速やかに病院で処置すること。

    マダニに刺された後に発熱等の症状があった場合は、病院へ受診すること。

 

■熊本県でのダニ媒介性疾患の年間発生件数  H25.11.25現在

H21 

H22

H23

H24

H25

日本紅斑熱  

 16件

  8件

 20件

 22件

  13件

つつが虫病 

  6件

 11件

  8件

  7件

  0件

SFTS

 

 

 

 

  4件

 ※SFTSは、平成25年3月4日から届出対象疾病となった。
2013年11月27日更新