2023年12月7日(木)~8日(金)に、本渡まちづくり協議会委員の視察研修で、鹿児島県と宮崎県を訪問してきましたので、視察研修の内容をご紹介します。


【柳谷集落(通称:やねだん)自治公民館】(鹿児島県鹿屋市)

やねだんとは、鹿屋市串良町にある小さな集落です。かつては若者離れや高齢化の進行により過疎化が深刻でしたが、住民総出での地域づくりに取り組み、サツマイモの栽培をはじめ、オリジナル焼酎の販売などに取り組んできた結果、地域で自主財源を確保し、行政に頼らない住民自治に成功されました。今では全国から多くの人が視察に訪れています。

研修では、柳谷自治公民館館長の豊重哲郎さんに、施設の説明や、やねだんの活動の歴史についてお話を伺いました。「地域づくりに大切なのは「人」。自分ではなく他人を主役にして、アイデアや能力を引き出してあげることが大切。そのために集落全員の名前をフルネームで覚え、会話し、いつも笑顔でいることを心掛けている」と語られていました。

参加した委員からの質問にも、熱心に答えてくださいました。

 

やねだん パネル館

活動パネル館にてやねだんの歴史や活動内容について紹介


やねだん 講義風景

公民館内での講義。壁には地元の方々の写真が貼られています。


やねだん 看板(明度0.2)

看板の文字は子どもたちが一文字ずつ手書きで書いています。



【油津商店街】(宮崎県日南市)

研修二日目には、宮崎県日南市の「油津商店街」を訪問しました。空き店舗や空き地の増加、歩行者の減少や近隣への買い物客の流出などにより衰退傾向にあったアーケード街に、新たな賑わいを生み出そうと取り組みを行った結果、旧スーパーの多世代交流拠点へのリノベーションをはじめ、宿泊施設、飲食店、IT企業のオフィスなど、29店舗(事業所)が商店街に入居するなど賑わいを見せています。

かつての商店街の姿を「復元」するのではなく、現状をよく分析したうえで、新しい商店街の在り方を追及されている点がとても印象的でした。

座学では「今良かれと思ってやっていることが地域の衰退を招いているのでは?」という視点を持つことを目的にお話をされましたが、気づきの多い大変興味深いお話でした。


油津 YOTTEN

旧スーパーを多目的交流施設としてリノベーションされています(油津Yotten)


油津 講義風景

講義は油津Yottenの中のホールで行われました。



油津 ITbuilding

IT企業が入ったビル


油津 アーケード

アーケード内は古くからある店舗とリノベーションされた店舗が混在しています。



二日間、有意義な研修となりました。受け入れてくださった「柳谷集落」様、「油津商店街」様、大変お世話になりました。


2023年12月22日更新