この記事は茨城県の職員が 、「内部被爆に関する線量換算係数」を使って計算した結果と推察される。しかし、子供と大人は区別されてしかるべきであり、変換係数は「東大病院放射線治療チーム」(放射性物質であるヨウ素I-131の「変換係数(μSv/Bq)」は、0歳で0.140、1〜6歳で0.075、7〜14歳で0.038、15〜19歳で0.025、大人で0.016)を使用した方がベターで、子供は大人の5倍ほどになる。チェルノブイリ周囲では、5年ほど露地物の野菜を食べ続けたが、子供の甲状腺癌が6000人ほど出ただけで、大人の甲状腺癌の発生率には有意な差は出ていないようだ。取りあえず子供の被爆は黙っておこう、隠すこととウソは違うのだから、ということか?
「文部科学省のモニタリングカーを用いた福島第1発電所及び第2発電所周辺の空間線量率の測定結果」を最初から見ると、モニタリングポストの数が北西方向に集中しており、3号機の爆発があった15日から原発の北西方向に行政が注目していたことに間違いはない。気体状物質でなく金属や金属酸化物の微粒子が、爆発的事象の際に南東風だったためにその方面に降下した、と考えるのが妥当であろう。だとすれば、ヨウ素だけではなくα線やβ線がでる放射性物質が沢山北西方向に飛散していると考えられる。原発から30km以上離れた飯館村では原乳も汚染されているようだが、北西方向が問題だとわかっていながら、何も手を打たなかった行政には釈然としない思いがする。まあこれもウソではないということか?
内部被爆に関しては「内部被爆に関する考察」をご一読あれ。