こんにちは。
地域おこし協力隊の北野です。
先日、神掛けの滝にて
恐竜の島博物館推進室の鵜飼先生とともに
登山道の植物・化石調査を行ってきました。
【写真:カワラタケ(サルノコシカケの仲間)】
神掛けの滝の登山道にはさまざまな種類の植物と化石があり
鵜飼先生に来ていただいたおかげで、たくさんの発見がありました。
今日は、そのうちの一部をご紹介します。
【写真:クサビを打ち込んだ痕跡】
写真を見てお気づきでしょうか。
岩の上部にご注目ください。
登山道わきにあるこの巨大な岩は、はるか昔
落石により山道をふさいだものです。
以前、炭焼きが盛んだったこの滝周辺では
唯一の山道が岩にふさがれてしまうと、まさに死活問題。
おそらく炭焼き職人の方々が
ノミを打ち、そこにクサビを打ち込んで真っ二つに割り
数人がかりで山道脇になんとか移動させたものだと思われます。
【写真:生痕化石(甲殻類の巣穴化石)】
岩の中心をご覧いただくとわかるように
斜めにぐにゃりと巨大な釘を打ち込んだような形が浮かび上がっています。
これは甲殻類である「砂もぐりの仲間」の巣穴の痕跡だそうです。
甲殻類の巣穴は直線的になりやすく
見分けやすいとのこと。
生痕化石は登山道でもっとも多く見つかる化石です。
【写真:層内しゅう曲】
層内しゅう曲とは、上部に積もった層の重さに耐えきれず
ぐにゃりとたわんでずれた層のこと。
きれいな直線の断層の中で唯一この岸壁だけが楕円に曲がっています。
自然の力のすごさを感じる景観ですね。
【写真:貝の化石】
これは登山道中腹にある一押しの化石。
二ホンモシオガイ(モシオガイ)の仲間の化石です。
三角形に割れた岩肌にびっしりと貝の化石が残っています。
ぜひカメラで撮影してみてください。
【写真:神掛けの滝裏】
神掛け滝は、滝の裏側にまわれることでも有名ですが
実は、滝裏の天井すべてが化石なんです!
ただの模様かと思ったら、あちこちに生痕化石が!!
ということはつまり
滝裏の天井こそ、大昔の「海底」だったのです。
大規模な地殻変動により海底が隆起し
この山々を築いたという仮説を、まさに立証するものです。
本日、プロジェクトチームメンバー数人で
台風10号による倒木の片づけを行ってきました。
かなりの被害がありましたが
登山者が通れる程度だけでも道を確保しましたので
ぜひ、化石探しをしながら登ってみられてください。
2020年09月17日更新