寒い

窓の外も、家の中も

ましてや肺の中までもが

人はいつから、こんなに寒くなったのか

株の乱高下は人から心を奪いさる

仕事に就けない人にも寒い空気が忍び寄る

心のあった胸の穴には冷たい空気が充満した

冷気でパンパンに膨らんだ胸の中

やがて雨が降り出した

槍の雨

切っ先を下に向けて

ギュンと降ってくる

逃げ場はないのか

もう人びとには温かな日は戻らないのか

凍えた手を天に向けた

遥か彼方のその先

微かに黄色の光が見える

しっかりと足をつき

その光に向かって行こう

しっかりと、一歩、一歩

走ってはいけない

確実に一歩、一歩

やがて

いつの日か

また、暖かい心に出会えるかも

この槍の雨は

そんな期待を持って

受け止めていこう

それが

生きていることなのだから

もう、

雨も、止む…

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